翔くんは俺を
「どこにもやらない………
誰にも渡さない………
愛してる………
愛してる…………」
と、言いながら突き上げた。
いつもよりねちっこく……
いつもより激しく………
だから、翔くんがあいつの影を
見ているんじゃないかって
行為の最中に感じてた。
案の定、目覚めてみたら
隣に翔くんはいなくて
窓際に泣きそうな顔をして立っていた。
誤魔化したってわかる。
翔くんは……………
あいつとは……違う…よ…………
根本的な所で違うんだ。
あいつは俺に勇太さんを見てた。
本当に勇太さんを愛していたんだ。
愛する勇太さんを誰にも奪われたくない。
いつまでも自分のそばにいてほしくて
誰にも渡したくなくて………
だから、永遠に自分だけの勇太さんにしたんだ。
今なら……………わかる気がする。
翔くんは………………
勇太でも、健太でもない
"智"として俺を愛してくれてる。
その時点で違うんだよ。
でも、愛するって怖いことだね。
狂気にもなる。
誰にも触れさせない。
誰にも渡したくない。
俺から去って行くのは許せない。
お前は俺のものだって
あいつは勇太さんを殺した。
殺したいほど愛していたんだ。
愛って恐ろしいものなんだ。
でも、その感情を………
俺も…………知ってる。
俺も……………
翔くんを、誰にも渡したくない……
誰にも触らせたくない…………
誰にも見せたくない…………
だから……………同じだよ。
「愛って…………
本当の愛って…………難しいね。」
『翔くん………
ごめんね。
俺が帰ってこないから心配したんでしょ。
……………………散々させてきたのに
…………………………ごめんね。
心配かけて………ごめん。』
俺の言葉に翔くんの顔がみるみる歪んで
『……もう…………
………………御免なんだ。
あんな………想いをするのは…………
もう…………御免なんだ。』
と、大きな瞳から涙がこぼれ落ちる。
愛しい…………
愛しい………翔くん…………
『うん。
うん。
わかってる………
わかってるから…………』
と、優しく翔くんに語りかけた。
月明かりに照らされて
俺たちの影は一つになる。
どんな思いも、狂気と紙一重なんだろうな……
狂おしいほどの愛……………
愛って……
愛って………………難しいね。
でも、たくさんの苦しみと、哀しみ乗り越えてきた俺たちだもん。
大丈夫。
こんなに優しい人たちに囲まれて
俺たちは今こんなに幸せなんだから………。
『ねえ、翔くん。
今週のお休みに
翔くんの家にちゃんと挨拶に行こう。
そして、俺たちの指輪を買いに行こう。』