ようやく片付いてホッとした。
って、俺はただソファーに座って
見てただけだけど………ね。
阿部が、ソロソロ帰ると言うので
俺は、母さんのお墓がどこにあるのか聞いてみた。
「いつかちゃんとお参りに行きたいから………」
すると、
『わかりました。
明日、車を用意しますので
ナビに場所を入れておきます。
櫻井さんの運転で行ってきてください。』
と、阿部が父さんの車を持ってくると言う。
『わかった。
ありがとう。
あ。あと、花もね。
母さん、白百合が好きだったから…』
『そうでしたね。
わかりました。
白百合も用意いたしましょう。
では……………明朝。』
と言って、珍しく微笑んで阿部は出ていった。
あんなごっつい顔でも笑うと可愛いいじゃん。
でも、阿部は50才にもなるのに結婚もせず
よく俺に尽くしてくれるよな…………。
不思議。
父さんとの思い出よりも
阿部との思い出の方が多いかもしれない。
(この阿部さんは"阿部寛"さんです。ー作者)
結局、迷惑かけちゃってるし………
「お腹すいたな…………」
考えてみたら
朝に、あのパッサパサのパンを
スープで食べたっきり。
でも、あと少ししたら
翔くんが帰ってくるかもしれない………
帰ってきたら
引っ越し祝いに、ちょっとお酒を飲みに行っちゃおうか…………
ふふふっ
翔くん………
どんな顔するだろ。
面白がるかな……………
お笑いやってる人だから…………
ドッキリって思って笑ってくれるかな………
それとも…………
怒った顔かな?
困った顔かな?
驚いた顔かな?
ショックを………受けた顔かな?
突然、翔くんの顔面蒼白な顔が浮かび
罪悪感が襲ってきた。
…………なにも………言わず
置き手紙だけ残して…………
引き上げてきたから…………
事件になってたりして………
「……………にしても、
お茶ぐらい入れようか。」
と、思い立ちキッチンでお湯を沸かそうと
ヤカンを乗せた。
翔くん家と違うけどどうするんだろう?
このボタン押せばいいのかな……………