君が笑ってくれるなら 114 | 嵐のS君妄想小説(BL)

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嵐の大野君が大好き。
そして、翔くんと智君の絡みが大好き。
BL大好きっ子の私が
嵐をネタにチョコチョコ書いてます。




鍋の底から沸き上がる

小さな気泡は少しずつ大きくなり

ブクブクしてくる

それを面白くてじーっと見てた。

見てたらその内

「もし、この中に手を入れたらどうなるだろう…………」

「もし、俺が手を…………

…………火傷したら………………

どうなるのかな………………」

「俺が……………

ピアノを弾けなくなったら…………

俺は自由を手に入れられるのかな………」

「もし………………」

って、そんなことが頭を過って

無意識に、俺は煮えたぎる鍋の中に手を入れようとしていた。

熱い湯気が俺の指にまとわりついた瞬間。

『おい!!』

と、大きな声がして

俺の手が掴まれ

寸前のところで止められた。

『…………え?』

驚いて横を見ると彼が怒った顔をして

『何してるんだよ。』

と、怒鳴られた。

『…………あー………』

「見つかったちゃった。」

『あー………じゃねーだろ。

お前はバカか?

沸いてる鍋に手を入れたら

火傷するに決まってるだろ!!

火傷したんじゃないか?』

と、俺の手を引っ張って

シンクで水を掛けてくれる。

「大丈夫なのに…………

この人………

俺の心配してくれるの?

なんで?

なんで……………?

赤の他人………なのに………

無理矢理、居候して迷惑しかかけてないのに

なんでこんなに優しいんだろ………

自分の子どもなのに監禁した、あいつとは大違いだ。

蛇口から流れ出る水は

ほんのり紅くなった俺の指先を伝い落ちる。

『………………ブクブクって……………

気泡が………面白くって………

弾ける前に指で弾けさせたかったんだ。』

と、俺は小さな声で説明した。

本当は、火傷覚悟だったことは伏せておいて。

『………ごめん………なさい。

と、言ったのに

『はああ~

お前………大丈夫か?

今までどうやって生きてたんだよ。』

謝罪の言葉は無視されて、また呆れた声を出された。

『……………チェッ

『お湯に手を入れたら火傷するぐらい

小学生でも知ってるぞ。』

その言葉にカチンときた俺は

『ふん。』

「俺だって知ってるよ。それぐらい。」

と、彼の手を乱暴に払い除け

顔を背けてやった。

俺の気も知らないくせに………

俺の立場も知らないくせに………






俺が逆ギレして

部屋の隅でしゃがんでいると

ダン!!

と、テーブルの上にどんぶりが置かれた。

『………なに…………これ?』

目を上げると

『………スープ……………』

と言って、俺に袋を差し出して「フン」って凄い鼻息をついて

彼が俺に背を向けて座った。

袋を開くとそこには俺が頼んだクロワッサンが二個。

お腹が空いていた俺は

クロワッサンを取り出して食べ始めたら

先程までの怒りが徐々に収まっていく。

そうか、お腹が空いてイライラしてただけなんだ。



背を向けた彼に聞こえるように

『このクロワッサン美味しいね。

どこで買ったの?

明日もこれ買ってきて………………』

と、先程の怒りなどどこに行ったのか

何事もなかったかのように彼に話しかけた。

そして、どんぶりに手を伸ばして

スープを一口啜ってみると

温かいスープは思っていたよりもずっと美味しくて

『なにこのスープ。

どうやって作ったの美味しい。』

って、素直に言葉が出てきた。



彼はチラッと俺を見たけど

完全無視してカップメンを啜ってる。

でも、そのカップから立ち込めるスープの匂いが

また俺の鼻を擽るから

『ねえねえ。

君の食べてるそれっていいにおいがするね。

なんなの?

ちょっと頂戴。』

と、彼に近づいて行った。





『翔くん。

なに変な顔してるの?

クロワッサン欲しかったの?』