『あっ。大野くんだ。
わあ~…………』
楽屋に通された俺は、ライブの興奮冷めやらぬ彼らに迎え入れられた。
『こいつが二宮和也でギター担当ね。
そして、こいつが相葉雅紀ドラマー
で、こいつがベースの生田斗真。』
と、松本くんが俺にメンバーを紹介し
自分はボーカルだって教えてくれた。
『俺ね。
俺、先日の音楽番組で大野くんの演奏に感動したの。
一気に好きになっちゃった。』
と、俺をハグしたのは相葉くん。
『ばか。
汗だくで抱きついてんじゃねーよ。
迷惑だろうが。』
と、俺から相葉くんを引き剥がしたのが二宮くん。
『大野くん。
これからよろしく。』
と、握手を求めてきたのは生田くん。
それぞれ個性的だし
楽しいメンバーでなんだか羨ましくなっちゃった。
俺には、こんなにワイワイ騒ぐ友達もいないし、
一緒に仕事する仲間もいない。
俺はいつも一人で
隣にいるのは、ボディーガード兼マネージャーの阿部だけだ。
俺の監視役でもあるこいつは
笑った事もない無愛想な男。
冗談ひとつも言ったことがない。
だから、俺も笑った事がない。
笑う必要がなかったんだ。
でも、彼らはよく笑う。
本当に楽しそうに
本当に仲がいいんだってわかる。
そんな彼らを見ていたら
『俺たちの演奏どうだった?』
と、松本くんが聞いてきた。
『…………俺、あんまり人の曲って
聞いたことなかったんだけど。
あの歌はよかった。』
と、初めて聞いた曲だけど
名前がわからないから歌ってみせた。
♯♪♭♪~♪♪~………
すると、4人が俺のもとに来て
『凄い。
一度しか聴いてないのに覚えたの?』(潤)
『その曲、作ったの俺なんだ。
でも、こんな曲だった?』(にの)
『歌う人が違うだけで世界観変わった。』(斗)
『凄くいい。』(雅)
そう言って、4人が驚いていた。
『…………俺、一応………
音楽家なんで………』
と、答えると
『そりゃ、そうだ。』
って、また笑ってる。
「何がそんなに面白いんだろう。」
俺の不思議そうな顔を見て
松本くんが、
『ねえ。
大野くんは、今の仕事楽しい?』
と、聞いてきた。
『楽しいとか、楽しくないとか
じゃないよ。
やらなきゃいけないものなんだから』
『大野くんってさ。
ピアノ弾くの楽しいのかなって………
思って………』
『…………?』
『俺、そんなに詳しくはないけど……
確かに、上手いしテクニックもあると思うよ。
感情も入っていて世界が見えるんだけどね。
大野くんが、楽しそうじゃない。』
『楽しい………って
思った事なんて…………ないから………』
『ねえ。
じゃあ……俺たちと組まない?』
『組む?
どう言うこと?』
『大野くん、
俺たちのバンドに入ってくれない?
その歌唱力を生かしてみない?』