『ソロソロお店に行く時間だよ。』
駐車場に車を止めて時間まで横になってた俺たち。
『うん。
店の前にまた列ができてたらやだな。』
と、大野の嫌そうな顔。
勝手に写真を撮るし、その写真をネットに挙げるし……
最近はSNSなんてものがあるから困ったもんだ。
一応サングラスを掛けて
二人で行くとバレるから
一人づつ行くことにした。
店の皆に渡すお土産を持って
大野が先に出た。
『じゃあ………あとでね。』
って、俺に手を振って歩いていった。
『おはようございます。』
俺が5分遅れで店に着くと。
『おう。おはよう。』
と、オーナーが答え。
開店準備に余念がない。
『おはようございます。
あれ?
今日は一緒じゃないんですか?』
と、同僚の女の子が聞いてきた。
『え?』
『智子さん。
お休みですか?』
『え?
来てないの?
うそだ。
俺より先に
時間差で入ってきたはずだよ………』
『…えっと……まだ……
…来てませんよ。』
と、皆が顔を見合わせた。
「うそ!!」
俺は、急いで外に出て辺りを見回した。
俺が慌てている様子から皆も出てきて
『どうしたんだ?』
と、聞いてくる。
そんなときに
店の開店を待っていた客の中の一人が
俺に近づいてきて
『…………こ……れ。』
と、差し出したのが中華街で買ったお土産。
大野が皆に渡すからと持っていったお土産。
『これを、どうして君が?』
と、尋ねると
『さっき、女の人が男の人に連れて行かれて
その時に落としたものです。』
と、教えてくれた。
『え?』
俺は、顔面蒼白になる。
「とうとう、見つかったんだ。
あいつの親父が来たんだ…………」
すると、オーナーが
『連れていかれた?
それって誘拐?』
と、俺に聞いて
「大変だ、大変だ」と大騒ぎなオーナー。
土産を拾った女性が
『無理矢理って感じではなかったですよ。』
と、動画を見せてくれた。
この子は大野のファンだったらしく
遠くからサングラスを掛けた女性を
もしかして………という思いで撮影してたらしい
動画には大野の歩いてくる姿が写っていた。
脇に止まっていた車から男が出てきて
一瞬、大野が逃げ腰になるが
腕を捕まれて、耳許で男が何か囁いて。
大野は土産物を道に落として車に乗った。
これは、大野のあいづだったのかもしれない。
俺に気づかせるために
一応、車種とナンバーを控え。
彼女から動画を譲り受け
大野の携帯に何度も電話を掛けた。
メールもしたが返ってこない。
頼みのGPS機能がOFFられてる。
あいつがOFFる分けないんだ。
OFFりかたを知らないはずだから………
これって……………
俺たちの………………
終わりってことか………………?