どうせそうですよ。
はいはい。
俺なんてね…
どうせ…………
そんなもんですよ。
もう、いじける気にもなれないわ。
俺は、車を運転しながら
隣で女装した大野を乗せてお出掛けです。
俺がこっそり出て行こうとしたら
玄関に阿部さんがいた。
俺達の家に勝手に入って来るって
なにもんなんだよ。
って……いやいや。
俺達の家って………ちがう…ちがう………
俺は認めてない。
でも…………
「………いつ………来たんだろう。」
阿部さんがいなければ
俺はこの部屋から
脱出できたはずなのに…………
俺は、最後のカップヌードルを啜りながら
阿部さんを睨み付けた。
阿部さんと、大野が何か話してるけど
意味がわからない。
だから俺は黙ってラーメンを啜る。
阿部さんが………
この家の存在を知っていたって事は
もとは、阿部さんの差金かもしれないなあ………。
だって、大野にマンション借りたり
引越の手配ができるわけない。
お湯も沸かせない奴なんだから。
だいたい………
この二人は、なにもんなんだよ。
いい大人なのに
平日のこの時間に家にいるって
まあ………俺もそうだけど……
まともな仕事はしてないよね。
あっ、そうか………
あーいう仕事(男娼)は大体、夜だもんな。
…………でも、俺と夫婦って………
マジでありえねえ…………
『……………あのさあ…………』
カップヌードルのスープを飲み干して
ひと呼吸してから
俺は静かに語りかけた。
『ソロソロ………
俺に、真実を教えてくれないかなあ……』
俺の声に二人が振り向いて
『櫻井さん。』
と、阿部さんに
突然俺の名前を呼ばれてビックリ。
『は、はい。』
と、返事をすると
『免許有りますよね。
運転出来ますよね。』
と、言う。
『え?
あっ………は、はあ~
まあ…………一応…(ペーパーだけどね。)……』
すると俺の手に車の鍵を握らせて
『では、下に車が有りますから
後は、よろしくお願いします。』
と、帰っていってしまった。
『え?
ちょっと………
ちょっと待って下さい。
阿部さん。
阿部さーん………』
カムバック阿部さん………
俺にちゃんと理由を教えて……………
俺は、後を追うも
彼は振り向いてもくれなかった。
『じゃあ………
俺、用意するから待っててね。』
と、大野が俺の肩をポンと叩いて
『出て行こうとしても駄目だよ。
翔くんはね。
監視されてるんだから……』
と、薄笑みを浮かべた。
怖い…………
マジで怖いよー
お…母…………さ…ん………。
俺はこの先どうなるんでしょうか………
『おはようございます。
お二人でお出掛けですか?』
と、俺たちに杉本さんが挨拶をくれた。
大野が、俺に腕を絡ませて
綺麗な笑顔を向けて
『いってきまーす。』
と、いつもより高い声で返事を返し
俺は俺で頭を下げた。
「俺の味方なんて、誰もいないんだ………」
って、知ったから。
駐車場に黒のGT-Rを見つけ
鍵を近づけるとピッと開いた。
こんな車…………
乗った事がない………
運転したこともないよ。
装備もわかんない。
運転前にマニュアル本を見てたら
大野が
『車なんてみんな一緒だろ。
アクセル踏んだら前に動くし
ブレーキ踏めば止まるんだからさ。
ついでに、ハンドル回せば曲がるから……
早く動かしてよ。』
って、
免許持ってない奴が………
俺に運転のノウハウを教えるって………
はああ~………
……………もう……いいや………