「…あ………あれ?
俺……揺れてる?
………あっ。止まった。
地震じゃなさそうだ……
……もう………少し…………ねよ……う…」
「あれ?
また………始まった………?」
『…ねえ……ねえ…………ねえ……。
…………
…………ちょっ………と…………』
『…………………うん……ん…………』
「………誰………。
誰だよ…………。
俺をユサユサ揺さぶるのは………」
「俺………さっき……寝た…ばっか………
なん……だ…から……さ……z…zz……」
「……………………」
『………………………ねえ…………
起きてよ。
…………ここって………
どこですか?』
「………あっ。
そうだった。
昨日、ってか
夜中に男を拾ったんだった。」
と、思いだし
俺は、パチリと目を覚ました。
俺の目の前に知らない顔。
俺を覗きこんで
『ねえ。
あなた………だれ?』
と、聞いてきた。
俺は、寝袋から這い出して
ベットの脇にある時計に目をとめる。
「まだ、7時じゃん。
俺、3時に寝たんだけど
それもあんたがベット占拠したから
固い床で寝袋で寝たんだけど………。
"俺が誰"って言う前に
言うことがあるだろうが………
謝れ。
そして、俺に謝礼をよこせ。
そして、帰れ。」
ちょっと、ムッとした顔をして
『…………あんたこそ………
なんなんだよ。』
と、睨み付けた。
『俺?
俺は……………大野。
それよりさ
お腹すいたんだけど………』
『はああ~』
と俺は、大きな声をあげた。
「はら減っただと~。
夜中に、俺のどん兵衛食べたくせに……
その残り汁で朝は雑炊にするつもりだったのに………
って、まあ………そのあと
俺は、もっと美味しい弁当食べたけどもさ。」
俺は、奴を一瞥してトイレに用を足しに行った。
戻って来ると。
奴はベットの上に座って
『ねえ。
この部屋って凄いよね。
この狭い空間に
トイレもバスルームもキッチンもあるんだもん。』
と、俺に言う。
『はああ~
お前、バカにしてるのか?』
「どうせ、ワンルームですよ。
ほんの18平米の
家賃5万の物件ですよ。
狭くてすみませんね。」
『バカにしてる?
………って……なにを?
俺、感心してたのに
機能的で………』
「それがバカにしてるって言うんだよ。
お前はさぞかしでっかい屋敷にすんでたんだろうよ。」
と、突っ込みたくなった。
『お前さ。
もう帰れよ。
俺、貧乏人だから
お前に食わせるもんなんてねーんだよ。
もう、明るくなったんだし
帰れよ。
俺、お前のせいで
迷惑被ってるんだから。』
と、冷たくあしらってやった。
『ねえ。
貧乏人ってさっ。
お金がないってことだよね。』
と、平気な顔で言ってのけた。
「こいつは、デリカシーがないのか?」
俺は、プンと顔を反らして
値引きシールの張ってあるパンを
袋から取り出した。
「あっ。
そう言えばこいつに千円借りてたんだ。」
と、思いだし
『お前から借りた千円。
いつか必ず返すから
携帯の番号教えていけ。』
と、パンを"アム"って頬張った。