哀しみは雪のように 229 | 嵐のS君妄想小説(BL)

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嵐の大野君が大好き。
そして、翔くんと智君の絡みが大好き。
BL大好きっ子の私が
嵐をネタにチョコチョコ書いてます。





翔くんの携帯を手に、

外に出て渋々自宅に電話をかけた。

「元気でいるから

心配しないで。」とだけ言おう。




暫く呼んでるのに出ない。

「かーちゃんいないのかなあ?

買い物か?」

「あと、1コールで出なければ切ろう」

って思ってた。




すると

"…………もしもし…"

と、不信感ありありのとーちゃんの声。

「なんで、とーちゃんがこの時間にいるの?」

と、考えていたら言葉が出なくなって

黙ってしまった。

再びとーちゃんが

"……もしもし?

…………健………太……か?"

と言う。

俺は息を飲んで

『……………とー……ちゃん?』

と、声を出した。


"……!!

健太か?

健太なのか?"

と、慌てふためく声。

『…………うん。』

と、俺が返事をする。

家を出て5日

久しぶりのとーちゃんの声は掠れてた。




"…………健太。

…今……………どこにいるんだ?

まさか…………

拐われたんじゃないよな?"

って、とーちゃんの声に


『……拐われるって………

ちがうよ。

俺……家出したんだよ。

テーブルに置き手紙あったでしょ。』


"…………ばかたれ。

家出って………

母さんがどれだけ心配してると思ってるんだ。

心配のし過ぎで倒れたんだぞ。"

と、怒られた。

『え?

かーちゃんが………』


"母さんに、これ以上心配をかけるな。"

と、とーちゃんの声が涙声になっていた。

『で?

かーちゃんの具合は?』



"ああ。

今、点滴してきて

寝付いたとこだ。

毎日、心配して……

眠らずにお前を待って

泣いてばかりいたんだぞ。

このままじゃ、かーちゃん死んじゃうよ。

早く帰ってこい。"

と、とーちゃんの言葉に

自分のした愚かさに気が付いた。

自分の子供じゃないのに

本当に愛してくれたかーちゃんに

俺は酷いことをしたんだって

気付いて電話を切った。







翔くんの部屋に戻ると

『どうした?』

と、翔くんが心配そうな顔をして待っていた。

『うん。

かーちゃん……………泣いてた。』

と言うと。

『そうだろ。

心配してたんだよ。

大事な人が、突然いなくなるって

辛いんだぞ。

苦しくって

この衝撃は心を滅ぼすほどのものなんだぞ。』

って、教えてくれた。

『……………そうだね。

わかった。

…………翔くんも…………

そうだったの?』

智君が、突然姿を消したとき

翔くんも同じだったのかな。

と思って、俺が尋ねると

「うん。」と頷いて、天を仰いだ。

俺にはわかったよ。

翔くん、涙を堪えてたんだよね。

下を向いたら溢れてしまうから………



『……………俺………


…帰るね。』

と、翔くんに伝えると

『………そ…う…し……ろ……』

と言う。

その翔くんの声は、もう涙でよく聞こえなかった。

『うん。

また、……………来てもいい?』

スニーカーを履きながら前を向いて

呟いた俺に。


『……いや。

………もう……………来んな。』

と、言われた。

『え?

だってさっきは、

いつまでもいていいって…………』

と、振り返って翔くんを見たら


『そう言ったけど……………取消。

もう、…………来んな。

俺が……………智と錯覚しちゃうから……

そのたびに一喜一憂するのは……

辛いから…………

…なっ………』

と言って、俺に背を向けた。



そうか。

そうだよね。

翔くんは、智君を待ってるんであって

智君に似た俺じゃない。

………俺…………じゃない。



『…………うん。

わかった。

……じゃあ………ね。

…翔くん…………。』



俺のはじめての友達。

俺のはじめての(記憶にある)相手。

ちょっと好きになってた………んだ……けど……

翔くんは、智君のものだもんね。


いつか…………

智君に会えるといいね。




『じゃあな。

体に気を付けろよ。

もう二度と…………

ばかなこと……………すんなよ。』

後ろ向きで翔くんが言う。


『うん。

翔くんも元気でね。

………………バイバイ………』


俺は、静かにドアを閉めた。