「やっぱりそうか…………」
先生は15年もの間ずっと待ち続け
やっと結ばれたんだ。
だからあんなに優しい目で領さんを見詰め
大事にしてるんだ。
始めっからわかってた。
この人は、愛する人を
その人は手にいれることができたんだって。
俺とは違う。
『…先生は、俺と似てないですよ。
俺は、先生と違う。
俺の場合……………
…………神様は
目測を誤ったんだ。』
と、俺が言う。
もし、智が運命の人で
もう一度会うことができ
結ばれることになるなら
俺の前に健太は現れなかったはずだ。
『……それに………
先生の言ってることが
……………わからない。
お俺には「智を待て」と言っているように聞こえるけど
健太には、「後悔のないように生きろ」って言って………
矛盾してないですか?』
『………そ、それは…………』
と、言って先生は黙りこんだ。
『…………俺は、
15年も待てない。
先生と俺は似てないです。
俺は薄情もので、
利己主義で、
そもそも俺の前から消えたのだって
本当は智の意志なのかもしれない。』
そうだよ。
俺と関わりたくなくて
俺の前から去ったんだ。
『…………………もう………………
いい。
もう……………
智の事は………………
忘れます。
俺には、待つ資格もない。』
『櫻井くん?』
『翔君?』
『神様が時を見計らっておられるなら
智は、俺の前には現れないですよ。
…………もういいんです。
俺もいつまでも……………
疲れました。』
『櫻井くん。
俺が言いたいのはね。』
と、言って健太を見て
『……………………ごめん。
でも………………
時が来たら………………
その時になったら……
全ての事が明らかになるよ。
絶対。』
と、先生が力を込めて言う
『……?
………先生は
何か知ってるんですか?』
俺が聞くと
先生は首を振って
『昔の俺と同じことを思ってるから……
自分を悪者にして
神様のせいにして
でもね。
忘れないで……………
智くんも、苦しんでいるってことを………』
俺は、健太の腕をとると立ち上がり
『もう、失礼します。』
と言って頭を下げ
その家を出た。