一年前。
大学の仲間と飲みに出た街で
見覚えのある後ろ姿を見つけた。
俺の鼓動は高鳴り
「嘘だ。」と言う気持ちと
「本当に?」と言う気持ちと
半信半疑。
俺の名前を叫ぶ仲間の声を無視して
その後ろ姿を追った。
どう見ても………
どう考えても…………
俺には彼にしか見えなかった。
「さとし…………
智…………
間違いない……………智だ。」
その人は、待ち合わせしてた男性と
そのままホテル街に消えていく
その後を、俺は気付かれないように着いていく。
ホテルに入る寸前で
俺は、彼の腕を掴んで引っ張った。
一瞬、何が起きたのかわからないようすの彼。
相手の男も呆気にとられ
ポカーンとしてるのを尻目に
俺は、掴んだ腕を放さないように
暫く走った。
『…ちょ………ちょっと………ハアハア
ちょっと……………放せよ。
お前………誰だよ。
なにしてんの?』
彼は、俺の腕を乱暴に振り払い
俺に掴まれていた腕を擦りながら怒鳴った。
俺は荒い息を整えながら
智くんを見た。
『お前こそ、なにしてんだよ。
俺らの前から突然消えて……………
…どんだけ心配したと…………思って………
…あ…………れ?』
『なんだよ。
俺が「消えた」って………
なんだよ。
俺、そもそもあんたのこと知んねーし………』
そう…………よく見ると…………
本当によくよく見ると…………
智くんじゃ…………ない。
『あー……………うそ。
ごめん。
本当にごめん。
俺の………知り合いに……
……似ていたんだ………
すまない。』
と、頭を下げた。
『あーあ。どうしてくれるんだよ。
今日の俺の客だったのに。』
『きゃく?』
『そっ。
俺の客。
それとも
あんたが今日の俺の客になる?』
『え?
俺が…………君を………
買うってこと?』
『嫌ならいいんだけどさ。』
と言って、彼は帰ろうとする。
『ま、待って…………
俺…………
あんまり持ち合わせないんだけど…………』
『いいよ。
あんたイケメンだからマケとくよ。
あっ。
じゃあ………さ
暫く、俺をあんたんちに置いてよ。
だめ?』