彼は、生きる事を拒み。
生きていることを、まるで罪のように思っている。
生きる希望……………
彼には、生きる希望が…………
意味が必要なんだ。
あら治療かもしれないが
智くんの友達に会わせてみてはと提案し
そのなかでも、一番親密だった友人に会わせてみることにした。
彼らから逃げている智くんは、彼を見るなり
自分を「見るな、来るな、触るな」と、
怯えて小さくなった。
今の自分を完全に否定し
現実から目を反らし
「自分は汚ないんだ。」と繰り返す。
その様子を廊下で伺いみてた。
智くんは、彼に好意を寄せていたんだろう……
汚れた自分が汚らわしい。
汚れた自分が彼の前に出るのは間違いだって
そう思てる。
自分の事を否定して
自分を"勇太"だと名乗り
本当の自分を死んだと言い
事実、死ぬ事ばかり考えて
今の自分を認めようとはしない。
でも、彼の優しさが………
彼の深い思いが、智くんの頑なな心を溶かしていくのがわかった。
案の定、
彼に会って「自分は"勇太"だ」と言わなくなった。
少しは今の自分を認めることが出来たのか
「智くん」と呼ぶと返事をする。
櫻井翔君。
彼が鍵かもしれない。
再会した彼と、どんな話をしたのか。
彼はどんな存在なのか。
と、私が聞いてみても答えは返ってこない。
まだ、私を信頼してないんだろう。
警戒心剥き出しで
ただ、黙ってそこに座ってる。
智くんにとっては、
全てが敵で
全てが信じられなくて
当然だ。
「今日もやっぱり駄目か。」
心に負った傷は、体に負った傷に比べると治りが悪い。
それでも、病室で
智くんがその彼と笑っていたと
お母さんが、嬉しそうに私に教えてくれた。
閉鎖的な病院にいるよりも
友達と会える普通の環境を与えた方がいいのかもしれない。
だから、一時退院してみたらと提案してみた。