『智君。
シャワー浴びてきたの?』
おいらの肩に手を回してた翔君が
耳の後ろに鼻を近付けてクンクンする
『え?
うん。
どうしてわかったの?』
あえて、翔君の腕を振り払うこともなく普通に答えた。
俺たちはいつもこんな感じ
じゃれあい、ふざけあい
それが日常で抱きついたりだって抵抗がない
まー家族みたいなものだからね。
さほど気にもしてなかった。
翔君はまた、スーと大きく息を吸って
『凄くいい臭いがする。』
と、うっとりした声
『うそだ。
今おいらいっぱい自転車漕いで汗いっぱいかいたもん。』
『そうなの?
でも、いい臭いがするよ。』
って、またスーって匂いを嗅ぐから
『翔君。』
おいらが呆れて翔君を引き剥がしに掛かる。
それを隣で見てた潤君が
『こらこら………
そこだけ二人の世界に入んないでよ。
公共の場で…こっちが恥ずかしいだろ。』
って、プリプリしてた。
『あ。ごめん。』
翔君は回していた手を外して
『でも、潤嗅いでみっ。
本当にいい匂いだからさ。』
だって。
おいらナイーブのアロエボディーソープなんだけどな
あれっていい匂いしたっけ?
と考えてると
『どらどら。』
って、潤君も嗅いできて
結局、電車のなかで5人でわちゃわちゃしちゃった。
俺たち5人は
何をするにも、いつも一緒だった。
気が合ってたんだろうね。
ここに誰かが加わるとか
誰かがいなくなるとか考えられなかった。
もし、このバランスが崩れるとしたら
5人のうちの誰かが、彼女作った時だろうなって思ってた。
でも、
それは意図も簡単に崩れてしまうんだ。