体育館に呼び出された俺たち。
何が始まるのかウキウキしてる奴。
受験が近く参考書を持って興味なさそうにしてる奴。
心配そうに話してる女の子。
授業が潰れて浮かれてる奴。
それぞれがひとつに集められて
体育館はザワザワとしていた。
体育館の前の方に先生達がいて
その中に翔兄を見つけたが
神妙な面持ちで立っていたので
突然不安が襲ってきた。
『皆、静かに。』
と、演壇から教頭の声がして
一斉に視線が教頭に集まった。
『昨日から、校内であらゆる噂が飛び交っていますが
面白半分で拡げる噂が
真実とかけ離れており
その噂話によって、苦しんだり
嫌な思いをするものがいることを
忘れないでもらいたい。』
これは、翔兄の事を言ってるんだってわかった。
多分、多くの人は信じていないはずなんだ
でも、SNSに何気なく載せたものが
一人歩きをしてしまい
嘘を真実にしてしまう
恐怖…………
教頭が言葉を続けて
『今後、あらゆる報道によって
歪んだものの見方をしないように
これから、真実をお伝えしようと思う。』
と、言って
大きく息を吐いたのが遠目でもわかった。
『当校3年の学年主任の飯田先生が
昨夜、児童買春及び強姦、暴行の罪で
逮捕状が出されました。
昨夜、ある人を襲い怪我をさせて逃亡中
警察の懸命な捜査が続いているところです。』
と言うと
体育館がどよめいた。
『『ええ?』』
『『どう言うことですか?』』
生徒達の中に動揺が拡がった。
『………静かに。』
教頭が生徒達のざわめきを沈めて
校長が演壇から声をかけてきて
『…………今まで、飯田先生が何をしてきたかわからず
多くの人が辛い思いをし、
被害に遭ってきたようです。
君たちを守るはずの先生が
信頼していた先生がこんな事件を起こし
先生達がなにも気づいてやれなくて
本当に申し訳なかった。』
と、頭を下げた。
『これから、飯田先生が逮捕され
事情聴取が始まれば罪も明白になるでしょう。
被害に遭われた生徒の皆さん
本当に今まですまなかった。』
そう言って、前に並んだ先生達も一斉に頭を下げた。
生徒の中には泣き出す子や、
受験はどうなるのかと、怒鳴るやつもいて
体育館は騒然となり
学校は、急遽昼で帰らされた。