タクシーで指定された病院に急いだ。
処置室の前に警察官が二人立っていて
『先程、連絡を頂いた
…………櫻井です。』
と、頭を下げた。
『ご苦労様です。
大野さんは、今治療中です。』
そう言って処置室を指さした。
『………だ……………大丈夫……ですよね。』
言葉がうまく出てこない。
依然、震えが止まらない。
「智を失う。」
恐怖。
『我々が駆けつけた時点で
頭から血を流し、意識がありませんでしたので………』
『……………な……んで……………』
ガクッと膝が折れて、倒れそうになったところを警官が支えてくれた。
警察の話によると
『19時07分に隣人の菅谷さんから一報が入り。
我々は駆けつけましたが
犯人は逃走中で、今検問を張って探しています。
目撃者も多数居ますので
まもなく捕まるでしょう。』
『…………犯人は…………?』
『50代位の男性で、
身長は160㎝ほど、中肉中背。
髪は若干長め
心当たりが有りますか?』
『!!』
『窓ガラスが割れて
悲鳴が聞こえたらしいのですが
犯人は玄関から逃走してまして
知り合いということも考えられるんです。
外に携帯も落ちてましたから。』
『その携帯履歴で一番多かった人に
連絡を入れた次第です。』
『あなたと、大野さんの関係は?
その時間どこにおられましたか?』
警官からの報告に俺は思い当たる節があり
『飯田信…………
彼だと思います。』
と言って
今までの経緯を知らせた。