※お山欠乏症
※。.:*:・'°☆
翔くんが一緒に住むようになって
俺の心が安定しているように思う。
時おり起きていた発作も出なくなって
薬の回数も減ったんだ。
夜も悪夢を見ないで眠れる。
翔くんが側にいるだけで…………
こんなにも違うんだ…ね……
翔くんも潤も、俺が作った料理を
大したものは作れないけど
「旨い旨い」って食べてくれるから
今日はなにがいいかな……。
って、考えるのが幸せだったりする。
早く帰ってこないかな………
夕食を準備しながら思いにふけていた。
「あっ帰ってきた。」
車庫に車を入れるテールランプが見えた。
俺は駆け足で玄関に向かって
翔くんが来るのを待つ。
潤が帰ってくるときもいつも玄関で
「おかえり」って言うのが習慣
それは、無事に帰ってきたって
いち早く確認したいから………
でも、翔くんの場合ちょっと違う気がする。
早く翔くんに会いたいんだ。
『ただいま』
って、満面の笑みでドアを開ける翔くんも
ここに俺がいるのをわかってて急いでやって来るんだよね。
『おかえ…………』
「おかえりなさい」って言う言葉を塞がれて
玄関で翔くんが抱き締めてキスをする。
「ふふっ幸せ………」って思う瞬間。
やっぱり、俺の作った料理を「旨い旨い」と言って
口に運び嬉しそう。
何でもない、普通の幸せがここにはある。
俺がずっと求めてたもの…………
身も心も支えになってくれる………愛する人がここにいる。
『智さあ……
最近、学校で話題になってること
なにか知ってる?』
ソファーで寛ぐ翔くんが、お風呂から上がってきた俺にきく。
『え?知らない』
バスタオルで頭をゴシゴシしてると
『…………この雑誌の事……』
と、あの雑誌を鞄から取り出した。
『あっ!』
思わず声をあげたので
『知ってたんだ。』
って翔くんが冷静な声で言う。
『ここに潤がモデルとして出てるって
学校中大騒ぎだよ。
そこにJ事務所に入ってるってことで
もう、アイドル扱い。』
『…へ、へ~…………そ、そうなんだ……………』
「………よかった。俺のことじゃない」
ちょっとホッとして胸を撫で下ろした。
『でもね。
「こっちの人は誰?」
って騒ぎになってる。』
『え~っ』
指をさされたのは俺だった。
『潤は「知らない人」って言ったみたいだけど
「入学式で見た」って言う女の子がいて
話題になってる。』
「うそ………」
『智さ………。
頼むから、あんまりこんな顔
すんなよ。』
『え?どんな顔?』
って雑誌を覗くと
『全部。
智を誰にも見せたくない。』
そう言うと、俺を引き寄せて自分の膝の上に座らせた
。
『俺………
嫉妬したんだよ。
「智は俺のだから誰も見るな」って
叫びたくなった。』
『ふふっ………おかしいの。
俺は翔くんのものだよ。』
俺は振り向いて翔くんにキスした。