「ここまで来るのに長かった。」
智を抱きながら思い出す。
最後の手紙が俺の元に返ってきたとき
俺は絶望してたんだよ。
「やっぱり………智は死んだ。」って
あの時の事を思い出すと、胸が苦しくなるんだ。
君は知らないでしょ。
俺、一度………自殺したんだよ。
今では傷口も薄くなって誰も気づかないけど
君に会うにはこれしかないって思って………
でも、いつもはいない時間に母が帰ってきて
即、見つかって病院送り。
親に怒られ
理由を聞かれたけど
言えなかった。
これもまた運命なのかもね。
あそこで俺が死んでたら
智は一生、殻に籠ってただろうし………
こうして智を抱きしめることはできなかった。
愛しさが溢れてくる。
どれだけ「愛してる」って言っても足りない。
「愛してる」の言葉さえ
軽く聞こえる。
もっと、もっと深い
深い感情。
俺の下で意識を飛ばした智。
そっと智の中から出ると、俺も智の横に倒れこんだ。