智は不自由な手で器用に料理をしていく
『翔くんはこれで皮を剥いてくれる。』
と、じゃがいもを渡された。
『うん。
いいけどやり方知らないよ。』
って言うと
『本当に何もした事ないんだね。』
と、驚いていた。
『最後にね。
これを入れるの』
って智が
出来上がったカレーにチョコレートを入れた。
『美味しいんだよ。
これはね。家のかーちゃん直伝なんだ。』
と、智が笑う。
『そっか。
じゃあ………食べようか。』
サラダとカレーに福神漬けがテーブルに並ぶ。
いい香り。
俺の部屋が幸せに包まれている。
顔を上げと智が俺をジーっと見ていた。
一口掬い上げ口に運ぶと
『う……旨い。
何?このカレー
家で作ったカレーがこんなに旨いなんて………』
本当にビックリ。
実家で作ったカレーは、びしょびしょで水っぽくて……
家で作るカレーには限界が有るって思ってたから
こんな旨いカレーは初めてだ。
『超、旨い。』
って言いながら夢中になって口に運んだ。
智がそれを嬉しそうに眺めて
『ゆっくり食べなよ。』
『口の端についてるよ。』
『気に入ってもらえて良かった。』
と、微笑む。
そんな幸せそうに微笑む智を見ていたら
『…………智。
愛してる。』
ふっと口から出てしまった。
『うふふっ………
どうしたの急に。』
と、返してきた。
『一緒に暮らしたい。
智と一緒に生きていきたい。
これからの人生を共に過ごしたい。』
『………翔くん…………///
何いってるの?
まるでプロポーズみたいだよ。』
智の顔が、みるみる真っ赤になって下を向いた。
『プロポーズなんだけど。』
と、言うと
智の顎をクイっとあげて、向かいに座る智にキスをした。
『俺の栄養が偏って、病気になったら嫌でしょ。
そうなる前に………
俺の嫁さんになってほしい。』
『む、無理だよ。
日本じゃ認められてないよ。』
『大丈夫。
方法はいくらでもある。』
『ご両親が………反対するよ。
無理だって………』
頑固な智にこれ以上言ってもダメだな。
この幸せを壊されたくなくて
『いつかの話だよ。』
って誤魔化した。
確かに、俺たちの感情だけで済む話じゃないことぐらいわかってる。
でも、俺の気持ちを知っていてほしかった。