※たまには、翔くんと智くんの話で盛り上がらないとね。
「やっと仕事が終わりました。
これからいってもいい?」
金曜日の夜、10時を回った頃
翔くんからメールが届いた。
今頃終ったなんて、学校の先生は大変なんだね。
週末だし、いつも金曜日には来るから
夕食作って待ってたのに
連絡ないし………
今日は来ないのかと思ってた。
俺はもう、夕食も済ませ
お風呂も入ったって言うのに
「翔くんが大丈夫ならいいよ。」って打って
否、待てよ。
大丈夫ってなによ?
……………おかしいだろ。
消去。
「翔くんがいいなら、いいよ。」って打って
いい?って聞かれてるのに
「いいなら、いいよ。」ってのも変だろ。
消去。
……………って何度も何度も、打ち直しては消去して…
俺ってバカみたい。
素直に「俺も、会いたい。」と、打って送信した。
それから10分もしないで家のチャイムが鳴った。
『あれ?今日は車じゃないの?』
いつもカーポートに車を入れるから
テールランプの明かりで来たのがわかるのに
今日は見えなかった。
『そうなんだ。
今日は、新任先生の歓迎会で………
断ったんだけどね。
一次会だけ行ってきたの。
だから、タクシーできた。』
ちょっと酔っぱらってる翔くんが俺に覆い被さってきた。
『そうなんだ。』
重い翔くんを担ぐような形でリビングに連れていき
ソファーに座らせた。
『お水。飲む?』
『うん。ちょうだい。』
俺は冷蔵庫から、冷えたミネラルウォーターを出して
コップに注ぎ翔くんに差し出した。
『ありがとう。』
翔くんの隣に座って
『いっぱい飲んじゃった?』
と、翔くんの顔を覗き込む。
『いや。大丈夫だよ。』
そう言って、俺を抱き寄せて
『智…………いいにおいがする。』
って言って、思いっきり首筋の匂いを吸い込むから
俺は恥ずかしくなって
『あっ。お…お風呂に入ったからじゃない………
シャンプーの匂いじゃないかな。』
って答える。
『ふふふっ……そそられる………』
と言って、翔くんの手がパジャマの裾から浸入してきた。
『もー。翔くんの手。』
素肌の上を蠢く翔くんの手をパジャマの上から叩いた。
『はいはい。
ここじゃ駄目なんだよね。』
『当たり前でしょ。
いつ潤が下りて来るか知れないのに。』
『そうだね。
じゃあ………俺もお風呂入ってくるわ。』
と、立ち上がった。
『上がったら、なにか食べる?
用意しておこうか?』
「週末ぐらい、一緒にお酒飲むのも悪くないかな。」
って思って翔くんに聞いてみたら
『そうだね。
…………智を食べるから
ベットに入って用意してて』
って、真顔で言う
『ば、ばかじゃないの?』
と、真っ赤になって俯いた。
『会いたかったんだろ。』
『翔くん…だって……ずるいよ。
俺のメール届く前から
こっちに向かってたんでしょ。』
その言葉に翔くんが笑いながら
『ふふふっ。
早く会いたかったんだ。』
『拒まれるって思わなかったの?』
『思わなかったね。
智も俺を待ってるって思ってた。
……………そうだろ。』
俺の頬を両手で挟んで、翔くんが俺を見つめる。
『………凄い………自信だね。…』
俺は、真っ直ぐに翔くんの目を見ていた。
『もうね。
智が何を考えてるかはお見通し……』
『じゃあ…
今なに考えてると思う?
当ててみて。』
『決まってるでしょ。』
って翔くんがキスをしてくれた。
ふふふっ…………
本当は「早くお風呂に入っちゃって」が正解だけど
翔くんの温かくて柔らかいキスも欲しかったから
まあ………正解にしてやろう。