「もう…………やってらんねえ。」
最近、出来たてホヤホヤのカップルを見て思ってた。
「誰のお陰だと思ってるんだよ。
イチャイチャするなら他に行け。
未成年の前で………目の毒なんだよ。」
二人の顔を交互に見て睨む。
『…チィ………いってきます。』
俺は朝食を食べ終わると
食器を食器洗い機に突っ込んで
鞄を手にしてリビングを出た。
『あっ、待って潤。
ほら弁当忘れてる。』
智が後ろから声を掛けて弁当を手渡してくれる。
『あっ、サンキュウー
じゃあ……いってきます。』
智に微笑みを返す
その後ろに
『潤、一緒に行こうぜ。
車出すから』
と、櫻井が顔を出した。
『チッ……嫌だ。
俺があんたと一緒に行くわけないだろ。
冗談じゃない。』
一気に不機嫌になった俺。
大好きな智を取られた。
大事なものを取られてしまった。
智が、見たことない笑顔を見せて
幸せそうな空気が流れていて
俺が文句も、反抗もできるわけないじゃんか。
櫻井は、当たり前のように入り浸り
金曜日の夜から月曜日の朝までは泊まって行く。
『はあ~
俺の居場所がない。』
と、月曜の朝から溜め息がでる。
『え?
だれの居場所がないって?』
と、声をかけられて驚いて後ろを向くと
相葉雅紀が立っていた。
『いや………何でもない……』
と、笑って見せた。
『そうか?
なんか潤の肩が随分下に落ちてるから………
なんか心配ごとでもあんのかと思って………』
『ねえよ。んなもん。
行こうぜ。電車が来た。』
『この間の登山、面白かったな。』
と、電車に揺られながら雅紀が話す。
『そうだな。』
渋滞の電車の中、俺の前の親父の体臭に苦しみながら答えた。
『俺さ、ニノがあんなに喋るやつだって知らなかったよ。』
『はははっ確かにな……』
『突っ込みどころをわきまえてるって言うか
どう言ったら面白い空気になるか知ってるんだよな。』
『う~ん。
どうだろう…………』
「俺達の感覚とずれてるから
面白いんじゃないかな。」と俺は思った。
『あいつの話を聞いたら、野球してたんだってさっ』
『へ~っ「和が野球ねえ…想像出来ない」』
だって細っこくて、色白で
スポーツってのが似合わなそう……
『だから、野球部に誘ったんだけどさ……』
『うん。…………断られた?』
『うん。』
雅紀がガッカリした顔を見せた。
『和は作曲家に成りたいって言ってたからな。』
『え?
潤、ニノちゃんを"和"って呼び捨てにしてるの?
てかなんで作曲家の話知ってるの?』
『いや………
一度聴いた事があって…………
ちょっと………まあ………色々……』
と、言葉を濁した。
やっと駅に着いて波に呑み込まれながら改札に
やっと外に出れたよ。
駅から5分の学校までの道で雅紀が
『まさか、潤もってことないよね。』
と、言い出した。
『俺も?
ってなんの話?』
『………………俺、
ニノちゃんが好きだなって思って………』
と、言い出した。