『どうしました?』
俺の顔を見ることなく尋ねてきたのは
クラスメイトの二宮和也。
昨日、櫻井と智のことを知って
頭に血の上った俺は一晩中眠れなかった。
怒り?
悔しさ?
嫉妬?
訳のわからない感情………
俺は、智を一人ぼっちにしたくなくて
いつでも頼れる存在になろうって、
決めてたのに………
俺じゃなくてもいいんだ………
そう思ったらショックだった。
俺じゃなく………櫻井を智は選んだ……
でも、心のどこかで
いつか、智は櫻井を選ぶんだろうな……とも思ってた。
智が幸せになれるなら………
だけど、今は無理みたい。
顔を会わせるのが辛くて
起こされるより前に起きて
朝ごはんも食べないで家を出た。
智が俺に話しかけてたけど
完全無視をしてやった。
学校についたら、今度は後悔の嵐。
智が俺の態度で苦しんでたらどうしよう…………
智を一人ぼっちにしたくないのに
今朝の俺は………
智に寂しい思いをさせた。
自分を責めてるかもしれない………
そう思うと俺は携帯を握って見つめてた。
いつもより早く教室に着くと
ただ一人、二宮和也が来ていた。
携帯を握ってトボトボ入ってきた俺を
一瞬ちらっと見て
すぐに自分の作業を始めながら、俺に聞いてきた。
和の前の席に座って後ろを向いて
『和の作った曲、聴いてみたい。』
と、言った。
和が、ふ~っと息を吐いて
『仕方ありませんね。
じゃあ………音楽室に行きましょう。』
と、立ち上がった。