『知ってたんだ。』
『……………うん。』
『そっか。
笑えるな…………
必死に隠してたのがばかみたいじゃん。』
智が…………泣いてるのかな…………
声が震えてる。
俺は智を力いっぱい抱き締めた。
しばらくして
『ほら…………
潤、離せよ。
学校遅れるぞ。』
智がすっかり親の顔を取り戻し
俺の背中をポンポンする。
まるで子供をあやすように………
俺は、智を慰めてたはずなのに………
立場が逆転してる。
『ちぇっ………15の差は其なりにでかいな。』
智を離して呟いた。
智はもうテーブルの上を片付けていて
俺のキスなんて覚えてないみたい。
俺は食器類を機械に入れて支度をする。
その間、いつものように
智はソファーに座ってTVを見ていた。
俺の「行ってきます」の言葉に軽く手をあげ
『気を付けて行けよ。』
っていつもの台詞。
『うん。』
と言って家を出た。
マズったかな………
知らないふりしたままがよかったかな………
勢いでキスして………それも舌までいれたもんなあ………
駅までのみちのり
俺は自転車を漕ぎながら反省してた
それもこれもあいつ………
全部あいつのせいだ。
櫻井が智に手を出すから………
くそ~………
あいつに物申してやる。
学校の駐車場に
昨日、我が家に有ったと同じ黒のCX5が止まってた。
来ているのを確認すると
教室に行く前に職員室に向かった。