智を胸に抱き目覚めた。
智はまだスヤスヤと夢の中………
『可愛い顔して………寝てんな……ふふ』
もう、悪夢は見なくなったかな………
穏やかに聴こえる寝息……
微かに唇が動いて、何か言ってる
耳を澄ましてみると
『…ん……………しょ…………ん…』
「………ん?……何?…」
『………しょう…………………ふふ………』
「俺を呼んでる?」
『……………も…………た……れな………いよ。』
「………………なに?」
『…うふ…………おいし…』
あっ!
そう言えばランチしようって言って
もう7時じゃん。
お腹減ってるんじゃないか?
ヤバイ
そっと智の体を揺すってみた。
『…うんん……………………う~ん』
『智…………起きて………』
『うんん…………』
智が俺をギュッって抱き締めて
『おはよう。翔さん』
って、ニコって笑って言うからおかしくって
『あはは………おはようじゃないよ。
今、夜だよ。夜の7時。』
て、言うと
『………そうなんだ………』
と言って笑ってた。
『お腹すいてない?』
『えへへ…………お腹すいた。』
『だと思った。
夢の中で何食べてたの?
美味しいって、言ってたよ。』
と、寝言の話をしたら
『うそっ!』
って言って恥ずかしがってる。
『本当。
朝から何も食べてないからお腹すいたでしょ。
ルームサービス取ろうか?』
『うん。』
『……ねえ……なんでホテル……取ってたの?』
ルームサービスで取り寄せた
ハンバーグを頬張りながら不思議そうに聞いてきた。
『翔さんの荷物がいっぱいあるんだもん。』
実は最近、母親が勝手にマンションに入ってきて
掃除をしたり、料理を作って置いていったり
………つまり、監視されてたわけ。
それで、ウザくて昨日からここに泊まってた。
その話をすると
『翔さんのお母さんは、俺のこと嫌いでしょ。
許してくれないよね。』
『なに言ってるの。』
智の頭を軽く叩いた。
『少しづつ距離を縮めようっていったでしょ。』
『…………うん。………』
『智は…………
今日は…………帰らなきゃだめ?』
『………………翔さんと出掛けるって
言ってあるから…………大丈夫………』
って真っ赤な顔して俯いた。