智さんを引き寄せて抱き締めた。
『だ、だめだよ。翔さん。
こんなことしちゃ………だめだ。
間違ってる。』
と、言って手を差し入れて体を離した。
『間違ってる?
………智さんはそう思うの?』
体を離して智さんを見た。
『…………とーちゃんが……そう…言うから……』
と、俯きながら答えた。
『とーちゃんじゃなくて
智さんもそう思うの?』
『…………わかんない………』
『…………俺、昨日までニューヨークにいたんだ。
そこで慎吾さんに会ってきた。』
『え?慎吾さん?
香取慎吾さん?』
智さんが顔を上げた。
『そう………
ある取材でね。』
『凄い………元気だった?
俺、ずっとご無沙汰だ。』
『そうなの?』
『うん。携帯水没させたでしょ。
連絡しょうがなくって………
で……どうしてた?』
『先日、結婚したんだよ。』
『え?…………どうして?』
『……「どうして?」………
普通、「誰と?」って聞かない?』
『……あっ…………』
智さんが自分の口を手を覆った。
『お相手は…………草剪さんだった』
『嘘!!』
『智さんは草剪さんを知ってるの?』
『…………うん。
本当に草剪さんと?
本当に結婚出来たの?』
『うん。
同性婚はあっちではメジャーだからね。』
『うそ………
………大変だったんだよ、
日本にいるときからの付き合いで
家族や周りから反対されて
一時は別れたこともあったの。
で、慎吾さんがニューヨークに行って……
…………続いてたんだね。』
『俺と智さんのおかげだって言ってた。』
『…なんで?』
『ふふっ………俺達の一途な愛を見て………だって』
『なにそれ?』
『命をかけた「愛」って言ってた。』
『確かに「命」かけたね。
一度は、死んだもん。』
『ふふっ…そうだね。
智さんは、本当に俺と別れたい?
智さんの本心が知りたい。
誰かから聞くんじゃなく。
智さんの口から本心が聞きたい。
それでも、「さよなら」って言われるなら
俺は…………嫌だけど……諦める。
でも…………もし………
遼のことや、両親のこと、があって別れる
って言うなら
一緒に乗り越えようよ。
慎吾さん達みたいに。』