長い夜が始まった。
搬送された病院で俺は、潤君と智の両親に連絡をした。
集中治療室の前で、祈る気持ちで待つ時間は長くて
時計を見てもほんの数分しか経っていない。
時計が壊れてるんじゃないかって思うほど…………
なんで出てこないの?
もしかして、脳に損傷があって脳死状態になってたらどうしよう……
このまま………
もし死んだら…………どうしよう…………
考えが悪い方に悪い方に流れる。
『くっそー!!』
俺は壁を思いっきり叩いた。
叩いても叩いても痛みが伝わってこない………
しばらくして、智の両親と潤君が着いた。
『何があったんだよ。』
と、潤君が俺に聞いてきた。
『………おれも………よくわかんない………』
『和くん、智は大丈夫なのよね?』
と、智のかーちゃんが言う。
『……………………』
俺は何も答えられなかった。
静かな廊下に重苦しい空気だけが漂い
誰も口を開くことなく集中治療室のドアを見ていた。
どれだけ時間が経っただろう
集中治療室から担当医が現れて
今の状態を話してくれた。
『どうも、呼吸が浅く。
気を抜くと自然に止まるので
予断を許さない状態です。
まるで生きることを………
拒んでいるみたいで』
『兎に角、このまま状態を見ましょう。』
と、先生が言ってまた中に入っていった。
『………生きることを………拒んでる?』
『どう言うことだよ。』
『本当に何があったの?』
『……智は、自殺………しようと
したんだと思う……』
と、俺は重い口を開いた。