おいらが目覚めると太陽は沈みかけていた。
目だけを動かして辺りを見ると
『やっと目が覚めたのかよ?』
と、目の前にニノが顔をだした。
『え?ニノ?』
驚いて飛び起きた。
『なんだよ。幽霊でも見たような顔して………』
と、クスクス笑う。
『幽霊かと思った?』
おいらもクスクスと笑った。
『なんでだよ。
ほらハワイのお土産』
と、言うとマカダミアチョコレートをおいらの目の前に差し出した。
『あっ………そうか…………
ハワイ行ってたんだった。』
『に、してもいいご身分だよな。昼寝かよ。』
『あれ?そう言えばなんで??』
なんで?おいら寝ちゃったの?
ソファーで眠った覚えがない。
思い出そうとするのに………
わからないや。
『あれ?
…そう言えば………潤君は?』
『あーあ。えっと………ちょっと外出』
なんだろう?
ニノのこの含みのあるような言い方。
何か、おいらに秘密でもある?
おいらの知らない事が多すぎる……ような?
でも、やっぱりわからない………
『………そうか』
と、返事をするしかない。
『もう、そろそろ帰るよ。
俺が送ることになってるからさ。お姫さま。』
と、ニノがおいらにウィンクをする。
『なんだよ。お姫さまて…………』
ニノが車を入口まで持ってくるから
と言うと事務所を出ていった。
歩いて行くニノの後ろ姿が見て。
「ニノ、怪我してる?
歩き方がいつもと違う感じがする。」
と思った。
俺が駐車場から車を持ってきて
事務所の入るビルの入口に車を止め
智が助手席に乗り込んでくるのを見ていた
その時に車が大きく揺れ
運転席の窓が "ばん" と叩かれた。
驚いて振り向くと
『あんた。まだ、死んでなかったんだ。』
クククっと遼が笑ってた。
『………智!!早くのれ!!』
驚いた智が乗ったことを確認すると
車内からロックをかけて急発進した。
遼の手を振りきって走り出す車。
バックミラーにあいつが写ってた。
俺の手が震えてる………
『……ニノ?』
俺の様子を心配した顔で覗き込む…智…
ハンドルを握る手にそっと自分の手を添えてくれた。
俺は落ち着きを取り戻し
『智………携帯で潤君に電話して………』
と、頼んだ。
『もしもし潤君。
あいつが………あいつが俺達の前に現れた。
潤君も気を付けて』