『おい。』
事務所の見えるカフェのテラス席で
お茶を飲んでいる遼に俺が声を掛けた。
『はい。
なんでしょう……二宮さん。』
素直に返事をする遼。
『お前、…………警察呼ぶぞ。』
ちょっとドスを効かせてすごんで言った。
『何でですか?』
動じることなく涼しい顔で答える。
俺は大きな溜め息を吐いて
『はああ~……
お前のしてることは、ストーカーだかんな。
智もいい加減ウンザリしてんだよ。
やめろ。』
ストーカーと言う言葉に遼の顔が一瞬、険しくなって
『智さんが言うわけないじゃないですか。』
と、声をあらげ立上がった。
『な、何をだよ。』
俺はちょっとビビった。
「これだけ体格のいい奴に殴られでもしたら
病院行きだな。」って
『俺なら守ってやれる。
何があっても助けられる。
そんな俺をウザがる訳ないじゃないですか』
と、挑発的に今度は笑って見せた。
俺の背筋がこの時初めて凍りついた。
こいつはマジでヤバイ奴かも知れないと
『お前が守らなくても
俺らが守ってやるからいいんだよ。』
『自分だった絡まれてたくせに………クククッ』
『はああ~。
兎に角、もう来んな。
本当に次は警察呼ぶからな。』
俺は遼に背中を向けて歩き出した。
『じゃあ、守ってみろよ。』
俺の背中に吐きかかけるように遼が言う。
俺はその言葉を無視して事務所に戻った。
『あいつ………おかしいよ。』
と、潤君に伝えると
『素性、調べといた方がいいかもな。
後、警察の方にも連絡してパトロールもお願いしよう。』
という話になる。
『いいよ。
大丈夫だって女の子じゃあるまいし……
俺だって自分の身ぐらい自分で守れるって。』
と智は言うけど
「守ってみろよ」と言った言葉に
俺を心配して潤君は警察に相談しに行ってくれた。
俺は遼の素性を調べて見ることにした。