『いらっしゃいませ。』
至って普通のファミレス。
『お煙草はお吸いになられますか?』
と店員がやって来た。
『禁煙で』
『こちらへどうぞ』
と、案内された。
『こちらのお席でお願いします。
メニューがお決まりになりましたら
ボタンを押してください』
行こうとする店員に
『あっ!ちょっと………
お聞きしたいんですけど』
平日の午後4時のファミレスなんて
ほとんど客はなく
店員も時間をもて余していたのか
笑顔で対応してくれる。
『すみませんが、
この人、見たことありませんか?』
と、弟の写真を見せると
店員は写真を手に取り
『あー。はい。
よく来てくださるお客さまですね。』
と答えて写真を返してくれた。
『なんで?』
俺の質問が変だったのか
『なんで?と言われましても………』
と困惑顔。
俺がなんでと言うには訳がある
ここの場所は、弟が生活する圏内から外れており
ここのいると言うことは学校に行けないのだ。
だから「なんで?」と口をついてしまった。
店員の話によると
大体この時間に道路の見える席で
長い時は3時間位一人でいると言う。
なんのために?
と店員に聞いても
『さあー。私にはちょっと………』
そりゃそうだ。
『ありがとうございます。』
と店員にお礼を言って
いつも遼が座っていたという席に移り
何か手掛かりになるものはないかと
回りを見る。
が、これと言ったものがない。
『ここには、確かに何かがあるはずなんだよ』
と言うと
『俺もそう思う。』
と相葉くんも頷いてくれた。
軽めの食事をして、
「今日はここまでだな。」
後、1時間位で仕事に戻らないといけない。
兎に角、何か見落としがないかと外を見ていた。
『…あっ……?!』
俺は立ち上がった。
あれは確か………
………間違いない…………
『ちょっと、ごめん』
と言うと相葉くんを残して急いで店を出た。
嘘だろ。
あの人だ。
暗がりで一度しか逢ってはいないけど
確かにあの人だ。
『………………さとしくん?』
俺は背後から声をかけた。