あれから俺は普通を装いながら
月日だけが過ぎていく。
翔くんにはニノとの事を告げられずに
翔くんに求められるままに抱かれる俺…………
一種の罪ほろぼしみたい。
翔くんに触らると気持ちがいいし、凄く感じる。
でも、ニノの事も大事だし忘れられない………
優柔不断な俺。
そんなある日、
翔くんが新聞を拡げて読む反対の面に
〔人気アイドルグループ"A"のリーダーの密会〕
と、言う文字を見つけた。
『え?』
それは、新聞の雑誌広告欄
スキャンダルを売り物にする雑誌の予告内容
『……………なんで?』
俺の様子に気付いた翔くんが
『どうしたの?』
と、俺が見つめる視線の後を追った。
新聞の向きを変えて見入る翔くん。
グループ名もリーダーの名前もないから
俺の事じゃないかもしれない。
でも、身に覚えのない話じゃない。
ブーブーブーブー
と俺の携帯が鳴りメールが来た。
画面にはマネージャーの名前。
至急、事務所に来るようにとの呼び出しだ。
翔くんが心配そうに俺を見て
『…………まさか俺たちの事が張れた?………』
『…………』
『だとしたら………俺も召集喰らうよな。
なんだろうね。』
『…………』
俺は、翔くんに何も言えずに家を出た。
事務所に着くと社長室に呼ばれて中に入る。
テーブルに明日発売の雑誌が開いて置いてあり
真夜中のホテルから出ていく俺が写っていた。
「あっ。あの日だ」
そう………ニノを抱いたあの日だ。
俺の写真の上に小さく貼られた写真は
最近、露出し出したグラビアアイドルが同じホテルから出ていく姿。
内容には[時間差で帰る……二人は恋人か?]とあった。
俺は、胸を撫で下ろした。
ニノとの事じゃない………と。
彼女の事は知らないし、会ったこともない……
友達でもない。
その事を告げて社長や、マネージャーに理解を求めた。
マネージャーも、俺と翔くんの事が張れたと思って焦ったみたいで
『イヤー、焦りましたよ。
二人の関係が張れたかと………
注意してくださいよ。』
と釘をさす。
俺は俺で、ニノとの事が張れなくてよかったって思っていた。