コンコン
『二宮先生。』
ドアを叩いて一人の看護婦が声をかけてきた。
『うんん~……なに?』
大きく伸びをして返事をすると
『昨夜、運ばれた櫻井さんが
「今日は帰れますか?」と聞いてますけど。
どうでしょう?』
『バイタルは……』
『正常です。』
『そう。わかった
じゃー僕が言いにいくよ。』
扉の前に立ちノックしようとしたときに
中から聞き覚えのある声が聞こえて手を引き戻した。
「………さと……し………」
あり得ない話じゃない。
メンバーが心配で付き添っていたって………
『あっ。ちょっと』
近くを歩いていた看護婦を呼び止めて
『櫻井さんの部屋に誰か付き添いがいるの?』
と聞いてみた。
『はい。
昨夜、櫻井さんと一緒に来て。そのまま……』
『あっ。そう。
………で、誰かわかる?』
『そりゃーわかりますよ。
リーダーの大野さんです。
私、ファンなんですよ。』
またここにも頬を紅めてファンなんですって言う人がいる。
『…………そうなんだ。
でも、騒がないでね。
他の患者さんにも気づかれないように…』
と、指示を出した。
この扉の向こうに智がいるんだ。
どんな顔したらいい?
どんな顔が返ってくるかな?
あまりの突然の再開に鼓動が高鳴る。
落ち着け………落ち着け………
扉の向こうから笑い声が聞こえてきて
智の笑い声が聞こえてきて
俺の手が勝手に動いて扉を開けた。
『楽しそうですね。』
智の驚いた顔。
一晩中付き添っていて
顔に疲れが見えるよ。
櫻井さんも俺の名前を見て慌ててるから
俺たちの関係を知ってるんだろう。
ってことは智の恋人ってことかな。
『久しぶり』