『なんで………なんで泣いてるの?』
ニノが、俺の涙声に驚いて振り向いた。
俺は膝に顔を埋めてニノに見られないようにしてるのに「なんで?」と除き混んでくる。
なんで?
なんで涙が出るかって?
俺だってわかんねーよ。
でも、でも……俺すげー頑張ったんだよ。
たった一人で知り合いもなく、
遊びに行くこともなく、
出来るまで、踊れるまで、床に汗だまりが出来るぐらい………
それなのにニノに別れを告げられて
どんなに辛かったか知れない。
その思いが解き放たれて安心したのか
ニノに逢えたのが嬉しかったのか
涙が止まんないよ。
『もー…………』
と、ニノが呆れた様な溜め息を吐くと
俺の後ろの段に座って背後から包み込むように抱きしめて
『………今だけだからな………』
と囁いた。
暫くニノに包み込まれていると、少しづつ落ち着いてきて俺は顔を上げて涙を拭い
『………ごめん。』
そう言うとニノの体から抜け出した。
『…………智………』
『ニノ………ごめん………おれ』
『俺さ……智の舞台見に行ったよ。』
『え?』
『お前さ………
舞台のチケットよこすのはいいけど
そこまでどうやって行くんだよ。
新幹線代稼ぐのにどんだけ掛かったと思う?
セットでよこせよ。』