二年ぶりに帰ってきた地元は
なにも代わってなくて嬉しい
駅の改札を抜けて、家までの帰り道をゆっくり歩くことにした。
二年前の俺なら颯爽と自転車で走り抜けてた道を
思い出しながら歩く。
ここのパン屋さんのコロッケパンが好きだったな……
よくニノと来たっけ。
あれ?いつの間にか空地にアパートが建てる。
あっ、俺たちの通った幼稚園。
ニノとは幼稚園も一緒だったよな。
いつも一緒だった。
俺の思い出にはいつもニノがいる。
笑ったり、怒ったり、拗ねたり、いじけたり、
そんなニノの顔が浮かんでは消える。
そして電話口で泣いてるニノ…………
ニノの泣き顔が…………浮かぶ………
家に帰ったら海に行こう…………
秘密基地に行こう…………
なんだかそこにニノがいるような気がした。
家に着くと挨拶もそこそこに
自分の自転車を車庫から引っ張り出して走った。
4月の風はまだ少し冷たいけど
全てからの解放感と、会えるかもという期待とで俺の心は高揚していた。
砂浜には幾人かの人が散歩をしていたり、犬と戯れたりしていて平和な風景が広がる。
それを横目に見ながら防波堤に登りバランスを取りながら歩く。
テトラポットの上をポンポンと跳ねて秘密基地に到着。
時間が遡ったような気分。
俺はまだ16才で、高校生で……………
隣にはいつもニノがいて…………
シートを取り出そうとクッキー缶を探したけど何処にも見つからず、
2年の月日の経過を思い知らされる。
『逢いてーなあ…………』