俺たちは違う道を歩き出したんだ。
お互い自分の道を………
でも、いつかまた再開したい。
絶対。
そして、その時には繋いだ手を離さない。
俺の京都での仕事は苦しく、辛く、寂しくて
二年が長く……永遠に思えた。
何度逃げ出したいと思ったか知れない。
舞台袖で泣いた日もあった。
それでも耐え忍び懸命にやりきったんだ。
千秋楽を迎えたときには舞台上で感極まり泣いてしまい
観客、共演者の人たちが大きな拍手をしてくれた時にやっと自分の努力が認められたと嬉しかった。
打ち上げでは先輩たちが俺を労い、ハグしてくれた。
辛くて長い二年がやっと終わった。
やっと帰れるんだ。
…………やっと………
にのとは「友達に戻ろう」と言われたあの日から連絡をしていない。
休みには帰るって言ったのに
結局一度も帰れなかった。
いつも心の片隅にチクチクと小さな刺が刺さっていたけど、忙しい毎日が俺に考える暇を与えなかった。
ニノは元気にしてるかな…………
ニノは俺のこと忘れたかな…………
ニノはどうしてるんだろう………
もう大学生なはず……
にのは…………
ニノに……………
俺は家までの道すがらニノのことしか考えられなかった。
二年ぶりの地元は何も変わってなくて………。
俺を安心させ元に戻れるような気にさせる。