京都に着いてからの俺は
日々怒られ、叩かれ、罵倒され………
精神的にも肉体的にもクタクタ
部屋に帰ると飯もそこそこで寝落ちしていた。
最初のうちは後悔とホームシックで、稽古中に何度唇を噛み締めて泣いたか知れない。
監督に携帯を没収されて
誰とも連絡出来ないし、
いくら言われても監督のいいように演技が出来ない。
ニノに会いたい。
ニノの声が聞きたい。
それだけで元気になれるのに………
しばらくたって
監督からの罵声や怒鳴り声が減り
少しだけど誉められるようになって
自分の心にもちょっと余裕が生まれてきた。
やっと少しだけど楽しいと思えた。
一ヶ月近く連絡をしてないから、ニノは心配してるかな。
かと言って携帯がないからメール出来ないし………
電話番号わかんないし………
と、考えていたら
やっと思い出したのがニノの家の電話番号
子供の頃から掛けてるから
指が勝手に動た。
ニノの声が聞ける。
なんで連絡が取れなかったのか言い訳もしたい……
ニノは元気にしてるかな………
ニノは優しい声で励ましてくれるかな………
そんな期待を胸に受話器を握る。
でも、残念なことにニノは留守。
だから、お母さんからニノの携帯番号を聞いた。