智に腕を回していた横山という人が
『おーちゃんも可愛い顔だけど
お前も可愛い顔してんじゃん。』
(関西弁ではございません)
と俺をじろじろと見てきたので、俺は睨み付けた。
それに気づいた智が
『狙ってんじゃねーよ』
と横山をこずいて、回していた手を払い除けた。
『………智、もう友達できたんだ。』
『こいつら昨日、家に泊まったの
で、これから遊びに行くところ』
『お前んとこは気楽でいいな。
俺なんて毎日勉強で遊ぶ暇なんてないよ。』
『俺と違ってニノは頭いいから期待が違うんだよ。』
そう言うと相葉と言う人が
『え?どこ?学校?』
と聞いてきた。
智が『光陵(架空)高校』と俺の代わりに答えた。
『スゲーじゃん。
東大目指してんだ?』
ときらきらの目で俺を見る相葉君。
『………まあ………行ければ………』
『スゲーなあ…』
頭良さそうな顔してるとか
どんな勉強してるとか
興味深げに聞いてくる
『ほら、未来の大先生の邪魔しないで行こうぜ。』
と横山が話を遮った。
『そうだね。
じゃあ………またな。』
智は俺に軽く触れると仲良く去っていった。
「ちぇっ」
俺は大事なものを盗まれた気分。
たった3ヶ月会わなかっただけで
智が遠い存在になった。
こうやって段々と忘れて………
忘れられていくのかな……
俺が俯いて、今来た道を引き返した。
「ちぇっ」
「もう前の様にはいかないのか」
「俺も智と同じ学校だったらよかったのにな」
「ちぇっ」
俺の口からはさっきから「ちぇっ」した出てこない。
『お前……ちゃんと前見て歩け。』
俯いて歩いていた先にスニーカーが見えて同時に声がした。
『………?』
目を上げると智が怒った顔で立っていた。
『お前、ばか?
ボーッと歩いてると跳ねられんぞ。』
と俺の手を掴んだ。
『………どうして?』
『なにが?』
『どうして、ここにいんの?』
『あー……。
あいつらの顔見飽きたからほっぽってきた。
久しぶりにニノとしゃべりたくて……
もう、散歩終わり?』
俺は首を左右にふった。
智がニヤッと笑って
『いつもの場所行く?』
俺は首を縦にふった。