『バカ。泣くなよ。』
ニノが俺を睨み付けていた。
『翔さん、あんた熊みたいですよ。
…………髭!!
智くんが見たらビックリですよ。』
俺は洗面台の鏡で自分の姿を見てみた。
3日も家に帰ってないので同じ服。
風呂も入ってないし、髭も剃ってないから薄汚れている。
寝てもいないので目の下は隈が出来ていて
とても人気グループ「嵐」のメンバーには見えない。
『翔さん、俺が見てるから一度帰ってよ。
ここで翔さんまで倒れたら………
………ね。
俺が智くん見てるから……
少し眠ってきて。』
ニノは強引に俺に荷物を持たせ急き立てた。
『じゃあ……少しだけ……』
『大丈夫だから…………
もしなんかあったら直ぐ連絡するから』
その言葉に足が止まる。
『………なんかあったらって……』
『あー………もー
ないない………
大丈夫だって………』
ニノが俺の背中を押して病室から出す。
『わかった。
じゃあ、頼む』
『うん』
久しぶりに帰ってきた
たった3日が何年ものように感じる。
体を洗い、髭を剃り、熱いお湯に浸かると
今までの疲れから湯船でウトウトしてしまった。
「翔くん、危ないよ。
………起きて……」
『うんーん。
智くん………あっ!…』
俺はお湯の中に沈んでしまい溺れてしまった。
『はーっ。ビックリした。』
智くんがよく俺が風呂で寝てると
起こしてくれたんだよな……と思い出す。
この家には智くんの思い出がいっぱいなんだ。
玄関にも、キッチンにも、リビングにも、寝室にも、
智くんの笑顔が溢れてる。
俺の目から自然と泪が溢れ止まらない。
止まらない泪が嗚咽になり大きな声を出して鳴いた。
全身を