俺の身体が震えだし止まらない。
嘘だ。
嘘だろ。
嘘だよな。
智くんのお母さんが叫んで揺するが起きる気配はない。
『さとし!!さとし!!』
騒ぎに気づきお父さんも起きてきて、
状況をすぐ理解したのか救急車を呼んでくれた。
俺は昔、番組で教わった心臓マッサージを試みる。
息をしていない人の肌質はやはりどこか違っていて
全身はまだ温かいのに
「冗談はよせよ」
「目を覚ませよ」
「戻ってこいよ」
「頼むから戻って来てくれ」
俺は祈りながら一心に智くんの心臓を叩いた。
「………うっ……」
微かに声が漏れた?
俺は耳を智くんの顔に近づけると、微かに息が掛かった。
その頃には救急車も到着し
救急隊員によって処置が成され病院へと搬送された。
ベット脇のテーブルに安定剤の粒がいくつか落ちていた。
智くんは喉の筋力が衰えていたため時間をかけて少しづつ安定剤を飲み込んだようだった。
今の安定剤は大量に飲んだとしても死ぬことはないらしけど、
智くんにとっては気管を塞ぎ死に至りかねない。
「頼む。
お願いだ。
お願いだから
お願いだから助けてください」
俺はただただ祈っていた。
俺はICUの前で祈っていた。