俺が楽屋に入ると皆が賑やかに笑っている。
智くんがいなくなってから
楽屋に笑い声が聞こえるなんてなかったので驚いた。
いつもなら俺が黙って支度をすると
誰も声を掛けてはこない。
なのに今日は
『ねえ。翔ちゃん
これ見て』
とスマホを俺の目の前に持ってきた。
『近すぎるよ。相葉君』
『あーごめんごめん』
と画面を少し遠ざける。
『あっ!!』
智くんがおっきなイルカを抱きしめて笑ってる。
『こっちもあるよ。』
とスクロールすると
イルカと一緒に寝たふりをする智くん、
ケーキを食べてる智くん、
智くんの笑顔が溢れてた。
久しぶりに見た智くんは凄く綺麗に笑っていた。
『昨日、大野さんの所に行ってきたよ』
と松潤が笑った。
『……そうなんだ……』
俺は俯いた。
そんな俺の態度に
『…くっそ……いつまでそうしてるつもりだよ?』
松潤が突然怒鳴った。
『………』
『大野さんはもう、
前を向いて歩き始めたんだよ。
翔さん、いつまで………
情けないよ。』
『………』
『ふーっ。リーダーからの伝言がある。』
潤くんがため息をついた。
『………智くんから…?…』
『そうだよ。
「おいら笑ってるから、翔くんも笑って」って言ってた。
あと、「おいらの後は翔くんに任せる」
「嵐をよろしく」だって』
翔さんを信頼しての言葉じゃないの。』
『俺には………無理だよ。
智くんの様にはいかない………』
『俺ら、翔ちゃんに着いていくよ。
だって、おーちゃんが決めたことだもん。
それに、
翔ちゃんがどんだけおーちゃんのことで
頑張ったか知ってるから………
翔ちゃんを責めて………ごめん。』
と相葉ちゃんが頭を下げた。
『俺も……………ごめん』
ニノが同じように俺に頭を下げた。
『翔さん、これ見て』
と松潤がまたスマホを俺に見せてくれた。
『翔くん。元気?
おいらは今、動く右手を少しでも強化すべくリハビリ頑張ってるよ。
おいら「嵐」のファンのひとりとして
いつも「嵐」見てるからね。
変なことしてたらダメ出しするから
しっかりやってよ。
じゃあ、頑張って。おいらも頑張るからね。』
と動画の中の智くんは
弾ける笑顔で手を振ってくれた。
なんだか俺の中の大きな痼がゆっくり溶け出した。
『今度皆で会いに行こうぜ。』
潤くんが俺の肩に手を回して覗きこんだ。
年末のスペシャル番組の収録に、唄番組に、正月の特番にと目まぐるしい。
12月に入ってからほとんどの暇がない状態。
レギュラー番組の収録に5人で楽屋にいるときに
チーフマネージャーが一つの包みを持ってきた。
『相葉君に贈り物が届いてるよ』
差出人を見た相葉ちゃんが
『おーちゃんからだ』
と大喜びしている。
急いで包みを開けると中から
綺麗に色が塗られた相葉ちゃんの似顔絵が額に入った状態で届いた。
『スゲー。超嬉しい。』
相葉ちゃんが凄い喜んで、
すぐに智くんに連絡をしてた。