『おいらも
ずーと大好き』
と言って俺に抱きついてきた智くん。
俺もそっと智くんを抱き締めた。
(あーしあわせ。)
俺は思いっきり智くんの匂いを吸い込んだ。
甘いちょっとミルクの匂いがした。
急に俺の心臓が早鐘を打つ。
智くんにばれてないかな。
急に智くんが俺を見上げて背伸びをして、
俺の唇にチュッとキスをしてクスクスと可愛く笑って俯いた。
(可愛い
あーもうたまんない。)
今度は俺が智くんの頬を両手で包みキスを落とす。
鳥が餌を啄むように何度も何度も触れては離れ、触れては離れのキス。
智くんの幸せそうな蕩けた顔を見ていたら俺の体が熱くなっていく。
徐々に深いキスになり智くんが暴れだした。
角度をかえ、俺の舌が智くんの口腔内をかき混ぜる。
『…うん…ん……んっ…やアあ…
苦…しい』
俺は、はっとして智くんを離した。
智くんの唇は朱色に染まり、唾液で艶々としている。
その唇を智くんは自分の手の甲で拭って息を整えていた。
『ハアハア…苦しよ、翔くん…ハアハア
死ぬかと思った。』
俺の胸に両手を当てて引き離しながら言う。
『うそ。
息止めてたの?』
『?
違うの?』
『鼻で息するでしょ。』
「あーそうか」みたいな顔をする智くんにキュンとした。
俺がまだ智くんの腰を抱いていると。
『翔くん
………おいら帰りたい』
と俺の腕を剥がしにかかる。
『えーっ!
どうしてー?』
俯いて真っ赤な顔をしている。
もしかしてはずかしの?
最近の若い女の子でも、こんな純情な子いないんじゃないのと思うほど
『…………
おいら……
初めてなんだ。』
『何が?』
『ばかっ』
智くんは耳まで真っ赤だ。
(あーあ、そうか男同士だもんね。)
『俺も初めてだよ。』
『嘘だ。
翔くんはモテるから経験だって豊富でしょ。
だって……今だって…凄かったもん』
『智くんだって経験あるでしょ。』
『ないよ。
そこまで好きになった人いなかったから。』
『ほんとに?
もういい年なのに?』
『…いい年…言うなっ…
ひとつしか違わないのに……』
語尾が段々小さな声になる。
俺は嬉しくなった。
『智くん、大好き。
俺も男の人を抱くの初めて。』
『やっぱりおいらが抱かれるんだ。
……
……やっぱり帰りたい。』
『智くん』
俺は思いっきり優しく耳許で囁いた。
『智くん
帰らないで…
お願い。』
ずーと大好きだったんだよ。
あなたも同じ気持ちだったなんて、嬉しすぎる。
告白なんてして玉砕することしか考えられなかったから、今が夢のよう。
智くんの身体をまた思いっきり優しく抱き締めた。