今日は夕方から、行きつけの床屋へ向かった。
バス停の列に並んだ瞬間、
太陽由来200.パーセントの直射日光を
全身に浴びる。
暑い。
老若男女しかめっ面選手権があれば、
かなりのハイレベル戦だったと思う。
春はどこへ行った。
いや、そもそも今年、春あったか。
そんな陽気に誘われて、
私はつい口走ってしまった。
「……刈り上げ、1ミリで」
出た。
夏限定、謎の潔さである。
こう、空気が
からっと、じりっとしてくると、
無性に味わいたくなるのだ。
銀色のバディを持つ、
クールな素肌感。
そう。
ばりかんである。
耳元で
「ウィィィン……」
と低く唸りながら、
容赦なく側頭部の文明を刈り取っていく、
夏の風物詩。
床屋のおっちゃんは、
毎年この時期になると妙に楽しそうだ。
「いきますよぉ〜」
その声には、
職人というより、
田植え前のコンバイン農家みたいな高揚感がある。
私は鏡の中で、
少しずつ
「お寺の掲示板にありがたい言葉を書いていそうな人」
になっていく自分を見つめていた。
1ミリには1ミリの哲学がある。
風通し。
潔さ。
そして、
もう髪型で何とかしようとしない覚悟。
切る髪あってこそ、
人は夏を知るのである。
……などと、
悟った顔をしていたのだが。
帰宅後、
息子が無言で私の頭を撫でた。
「おっ、いいですねぇ」
私は少し照れながら、
「1回20円」
と告げた。
息子は笑いながら、


