キハダの花について、19年に撮った写真です。 キハダは雌雄異株ですから、雄花と雌花は別株につきます。

 

雄株の雄花

枝の先端に円錐花序をつけますが、黄色い雄しべの広がりで開花しているのがすぐに分かります。

 

5つの小さな萼と花弁がありますが、花弁は開くことはありません。 花弁の中間部から5つの雄しべが伸び花弁より長くなって、葯が開裂します。

 

 

雌株の雌花

やはり枝の先に円錐花序をつけますが、あまり目立たないので咲いてるのが分かりにくいと思います。

 

5つの小さい萼と花弁があり、雌しべの子房は緑色で丸く柱頭は赤い色をしています。 雌花の花弁も開くことはありません。

 

 

虫媒花

雄花も雌花も花弁を開かないので、風媒花なのかなとも思いましたが、ネットの項目「樹木だより・キハダ」(道林業試験場季報96)によると、主にミツバチによる虫媒花とのことです。

その中で、「雄花には花粉を集めに、雌花には分泌される蜜を集めにやってくる。」と書かれています。

なるほど、雄花は花粉が昆虫にたくさん付着しそうな形態ですね。

 

 

追記 : 2021年6月8日

しばらく前の新聞で減少するミツバチ類の保護のため、ハリギリ・シナノキ・キハダを植樹する記事を読みました。 「キハダは雌株を」などと云う表現はないですから、雄花も蜜源となっているはずだと思い、件のキハダを見に行って雄花を採取してきました。

19年より開花が少し遅れているようですが、雄花を採って手前の花弁をちぎり、蛍光灯にくっつけた状態で撮った写真です。

 

トリミング拡大した写真ですが、退化した子房の基部に蜜腺が見られます。(私のコンデジではこれが限界です) 即ち、雄花からも蜜を集めているということです。

雄花は、本文2枚目の写真のように開花しても花弁は閉じていますから、ミツバチがこじ開けて入る間に花粉が体に沢山付着する原理ですね。

 

 

 

☜ 次回の記事もキハダの花についてです。