ばんえい競馬場の端を市道が通る工事が始まって、今までは柵内で入れなかった場所の一部が見られるようになりました。  その場所で初めて出合った植物でしたが、名前が分かるのに時間がかかりました。
 
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緑一色の地面を覆うような植物で、一見して花は見られませんでした。
 
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広がっている場所を見ると、中央のタンポポは終わって今はコウリンタンポポが咲いています。
 
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単独の株も、あちこちに地面を這うような形で見られます。
 
 
 
何となく花らしきものがある様なので、先端を大きく撮り始めました。
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家に帰ってから写真をパソコンで拡大して分かるのですが、黄色い雄しべがあるのですが花弁が見当たりません。
 
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別な何処の株で撮ったものでも、分厚い萼片はあるのに花弁はないのです。 「アライトツメクサかな、でも違うな~」とか考えていました。
 
 
 
 
そうこうしているうちに、果実期を迎えました。
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他のツメクサ(爪草)の仲間では、萼の内側に果実が出来その果皮が裂けて多数の種子を飛散させるのですが、この植物では萼内に果実はなく破れた果皮も残っていません。
丁度その頃、ネット検索でいろいろなサイトの話の中からヨーロッパ原産のシバツメクサ(芝爪草)の存在を知り、やっとのことで名前が確定することになりました。
 
 
 
それでは、シバツメクサの果実は何処に?となるのですが。
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萼の下位に果実が出来て、萼片ごと植物の下に沢山落下しています。
 
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果実は壷形でとても硬く、萼片も硬いので自分の爪でこそげ取るのも大変でした。  先の尖った金属で種子を分離しようと思いましたが無理なので、ペンチで割るしか仕方がありませんでした。  種子は1個ですが、割れた痕は小麦粒を砕いたような様子のものでした。
 
 
 
ふと、シバツメクサはこの場所特有のものかと疑問に思いその近所を調べてみました。
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よくよく見ると、何回も出掛ける家の近くの空き地にも点々とその群落があり、がっくりしました。 花が緑色なので気が付かなかったのだと思います。
 
このマチの中心部にある中央公園の芝生の中にも見られましたので、それなりの広がりがあるのかもしれませんが、あまり多く見かけるものではありません。  種子の飛散法(遠くへ飛ばさない)を考えても侵略的な植物ではないことから、全道的にみても分布域の少ない植物のようです。
 
 
 
 
追記 : 2020年5月10日
 シバツメクサの当地での越冬の形式が分かりましたので追記します。 別な植物の観察のために何度も昨年の場所に来ていますが、存在が分かるのはタンポポが咲き始める頃でした。
 
今までまったく何も見えなかった砂礫地ですが、緑の芽が点在するようになりました。 いろいろな個所をよくよく見ると、芽生えにも種類があるようです。
 
左側に昨季のシバツメクサの枯れた本体があります。 中央の緑の濃い(早く成長)部分は昨秋に種子が芽を出し越年した部分であり、その周りには多数の今年発芽した芽生えがあることが分かります。