前回の続きです。
今すぐにでも心が折れそうな状況の中、病院の駐車場で朝が来るのを待っていた
私たち。朝8時過ぎに眼科医から「今すぐに来れる?」と電話がかかってきたので、私たちは病院の目の前にいることを告げ、中に入りました。
受付でチェックインを済ませると、すぐにとても優しい目をした
眼科医が自ら私たちを呼びに来てくださり、私たちは受付からすぐの、
壁に目の解剖図が貼られていて目の模型のあるお部屋に案内されました。
そしてまず、病院に到着してすぐに行われた検査では、今のところ血圧は
正常で、心臓にも肺にも異常は見られず、血液検査でも、かかりつけの病院の
数値と比べてみたところ特に目立った変化は見られなかった、という嬉しい
報告を受けました。これは幸い、ジューくんが床に落ちた時に身体が毛布で
包まれていたからなのかもしれません。
その後、問題の眼球について、模型と図を使っての詳しい説明がありました。
もしも手術もできない状態だったら。。と、今にも胸が張り裂けそうなくらい
緊張していた私たち。人生であんなに緊張したのは生まれて初めてかも。。。
そして優しい目をした眼科医はゆっくりと話し始めました。
「詳しく検査をしてみた結果、眼球が潰れているというわけではなく、ぶつかった
衝撃により、角膜潰瘍だった角膜がさらに破けてしまい、通常なら房水が出ている
状態なのだけれど、ラッキーなことにその奥にあるもの(たぶん虹彩?)が歪んで
その一部が前に出てしまったことにより、角膜の破けた部分が塞がれて、房水が溢れ
出るのを防いでくれているよう。手術で治すことが手っ取り早いけれど、この子の
場合は麻酔のリスクが大きすぎるから、薬で治していくほうがいい。100%治ると
は言い切れないけれど、この状態なら時間がかかるかもしれないが薬で治る可能性は
ある。痛みも、奇跡的に穴が塞がれたことにより、そこまで酷くはなく、通常の
鎮痛剤でいけるはずだから、目薬と抗生物質と内臓に負担のない鎮痛剤を出して
おきます。」
そのお話を聞いてそれまで張り詰めていた緊張が一気にほぐれた瞬間、ドっと疲れが
襲ってきました。とにかくホッとしていると、内科のドクターが私たちのもとへ
ジューくんを連れてきてくださいました。ドクターのお話では、病院にお泊まり中のジューくんは興奮していたのか息が荒かったそうで、酸素室に入れられていたようです。見るとジューくんの足は、血液検査の針のあとで痛々しく赤くなっていました。
ジューくん。。。会った瞬間涙が溢れた。。。足は赤くなっていたけれど、
ジューくんが生きている、ジューくんが生きている。。そればかりが頭を
駆け巡りました。
ジューくんはちゃんと息をしていました。私たちは、
生きているジューくんと対面することができたのです。
そのとてつもない喜びを胸いっぱいに感じ、
私は涙を流しながらジューくんに言いました。
「ジューくん、一緒に帰ろう!」
病院を出た私たちは、前日から何も食べていない、一睡もしていない状態だった
けれど、とにかく少しでも早くジューくんをおうちに連れて帰ってあげたくて、
すぐに長時間かけて来た道を引き返しました。
途中でジューくんにお水や痛み止めを飲ませ、オムツを変えたり寝返りを
うたせたり、抱っこをしたりしながら車で5時間半。パパはエナジードリンクで
眠気を覚ましながら長時間の運転を頑張ってくれました。そして私は、腕の中で
スヤスヤと眠っているジューくんの寝顔を見ながら何度も何度も涙を流しました。
夕方、おうちに着いてからすぐにジューくんをベッドに寝かし、ごはんをあげて
おなかがいっぱいになったジューくんはまたまた夢の中へと戻っていきました。
事故から隣の州の病院へ向かい、帰ってくるまでの約1日半。。なんだかとても
長い時間の出来事だったような気がします。そして私たちはやっといつもの平穏な
日常に戻ることができました。そのなんでもない風景がどんなに幸せなことなのか
ということをかみしめながら、パパと一緒にいつまでもいつまでも、スヤスヤと
眠るジューくんの寝顔を眺めていました。
そして、「どうしようもないママで本当に本当にごめんなさい。。」
と何度も何度も謝りました。
結果的にジューくんは無事でしたが、私は本当にバカ親です。。
今回のことで、私は犬を飼う資格などないのだとハッキリわかりました。
なのでジューくんを見送った後はもう次の子を迎えるつもりはありません。
ジューくんの状態はとても安定していて、今も私の横で以前のような
健やかな寝顔で眠っています。そして私はというと、あの日以来ほとんど
何も食べられなかったけれど、ようやく昨日からお茶漬けくらいなら食べ
られるようになってきました。事故が起こった時、私は冷静だったと思って
いたけれど、実はパパ以上に心に受けたダメージが大きかったのかもしれません。。
ほんの一瞬の気の緩みが招いた今回の出来事。特に高齢犬の場合は
一瞬たりとも目を離してはいけないのだと思い知らされました。
パパは、「やっぱりパーフェクトじゃなきゃいけないんだ。。」と
何度も繰り返していました。
そして、「ジューくんのことが大好きなんだね?号泣してたもんね?」
と言うと、「うん、ジューくんから"愛"とは何かってことを学んでいるから。」
と言っていました。
今あらためて考えてみると、こうしてまたジューくんと一緒にいられる
ことができているのは、いくつかの偶然が重なったおかげでもありました。
まず、椅子から落ちた時に身体が毛布にくるまれていたこと、椅子の高さが
そこまで高くはなかったこと、落ちた床がコンクリートではなくフローリング
だったこと、そして、角膜の破れた部分が奇跡的に塞がれたこと。
落ちてから数時間の間は涙が出ていたから、もしかするとその時はまだ
破れた角膜は塞がれていなくて、お隣の州に向かっている間に少しずつ
塞がれていったのかもしれません。。
それが、病院へ向かう前に、これまでジューくんに数々の奇跡をもたらした
あの湖へ行ったからなのかはわかりませんが、ジューくんを含め、またもや
私たちに奇跡が起きたのは確かです。
最後に、長い長いお話を最後まで読んでくださった多くの皆様、そして、
ジューくんのことを心配してあたたかいコメントやメッセージをくださった
方々に、心から御礼申し上げます!
今、ジューくんは生きています!ジューくんは生きて戻ってきました!
本当に、本当に、ありがとうございました!!
これからもジューくんとの残された時間を大切に、
一日一日を過ごしていきたいと思います!




