二次元@大好き中毒 -2ページ目

二次元@大好き中毒

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母親「……ううん。そのことはいいの」
「あんたが電話にすぐ出るってことは、今、ヒマなんでしょ?」
りえ「ま、まあ……」
母親「ここのとこ忙しいから、手伝いに戻ってきてちょうだい」
りえ「えっ? 今から?」
母親「当たり前じゃない。それじゃ、よろしくー」
お母さんは一方的に話をすると、ピッと電話を切ってしまった。
私は携帯を握りしめながら、思わず、苦笑いを浮かべた。
(お母さん……相変わらずだなぁ)
(でも、なんだかホッとした……。それに、私のことを気にしてくれていたんだ)
私は携帯を胸に抱くと、空港の受付カウンターへと向かった。
乗る予定だった飛行機を、キャンセルする為に。
 
 
 
りえと行き違うように、グレンは空港に辿り着いていた。
グレン王子「はぁ、はぁ……」
息を切らしながら、滑走路が見下ろせる窓に駆け寄るグレン。
グレンがその窓にたどり着いた瞬間。
りえが搭乗予定の飛行機が、ゆっくりと離陸していった。
グレン王子「……くそっ」
グレンは吐き捨てるようにつぶやくと、携帯を取り出した。
そして、メモリからりえの名前を呼び出し、通話ボタンを押した。
しかし、彼女が電話に出ることはなかった。
グレン王子「もう、追いかけるなってことかよ……」
グレンは窓に額を押し当てながら、りえが言い残した言葉を思い出していた。
“私には、一流デザイナーになるって夢もあるし”
グレンは瞳をギュッと閉じると、唇を微かに震わせた。
 
 
 
りえ「グレンくんから……電話があったんだ」
タクシーに乗り込んだ私は、あ然とした表情で携帯を見つめていた。
りえ「空港内は騒がしかったから……気付かなかった」
私は大きくため息をつきながら、つぶやいた。
着信履歴に彼の名前があるだけで、嬉しくなってしまう自分がいる。
(グレンくんの声が、聞きたい)
(だけど……今は我慢しなくちゃ)
声を聞くと、決意が揺らいでしまいそうで怖かった。
私は気持ちにふたをして、携帯をカバンに戻した。
 
 
 
ーーりえが城を出て行ってから、3週間が経とうとしていた。
そんな中、グレンはノーブルミッシェルでの定例会合に出席していた。
ピエール「この度は、ジョン・ピエール事務所に衣装の制作をご依頼頂き、感謝しております!」
キース王子「疑惑がようやく晴れて良かったな。ピエール」
ジョシュア王子「盗作などするはずがないと、最初から信じていたがな」
ピエール「ありがとうございます!名誉を挽回する為にも、全力で取り組ませて頂きますわ」
ピエールはサッとお辞儀をすると、グレンの隣に腰をおろした。
グレン王子「……」
ピエールは、自分を真っすぐに見つめているグレンの視線に気付いた。
ピエール「どうかいたしまして? グレン様」
グレン王子「いや、その……」
「アイツ、元気でやってますか?」
ピエール「えっ? アイツって、りえのこと?」
「りえは、オリエンス王国でデザイナーをやってるんだとばっかり」
グレン王子「えっ……?どういうことですか?」
 
 
 
りえ「うーん。ここのデザインが気に入らないな」
「もう少し、装飾を少なめにしよう」
「あっ……。こうすると、アランくんに似あうかも!」
私は自分の声に気付き、デザイン帳に走らせていたペンを止めた。
りえ「……まただ」
そして、小さくため息をこぼした。
(気付けば……いつも、グレンくんかアランくんを、イメージしたデザインになるなぁ)
ーー私がオリエンス城を出てから、1ヶ月が経とうとしていた。
デザインはひらめくものの、それはもう必要のないものばかりだった。
(お城を出て随分経つのに……グレンくんやアランくんのこと、結局、全然忘れられないんだ)
私はデザイン帳を放り出すと、テレビの電源をつけた。
すると、台所からお母さんが顔を覗かせた。
 
 
 
 
 
 
ユウ「いい加減にしてください!カネダ様!」
「国民にグレン様と私、どちらがふさわしいか問いかける?」
「そんな必要はありません」
カネダ「ユウ……何を言い出す」
グレン王子「……」
恋愛ではなく、王位継承権を選ぶと国王の前で誓ったグレン。
しかし、カネダは異議を申し立てた。
その時、ユウが会議室に乗り込んできたのだった。
カネダ「お前は……王位継承権を捨てるというのか!?」
ユウ「少し前まで、迷っている自分がいました」
「ですが……ある“女性”が教えてくれたんですよ」
「国王に一番ふさわしいのは、グレン様だと」
グレン王子「ユウ……」
グレンはユウの瞳の奥に、りえの影を見た。
カネダもまたそれに気付き、歯を食いしばる。
カネダ「くっ……。もう好きにするがいい」
ユウ「目をかけて下さったのに、申し訳ありません」
ユウはカネダに頭を下げると、親族達を見渡した。
ユウ「この国と国民のことを誰よりも思っているのは、グレン様です」
「長年執事をしてきた私が言うのですから、間違いはありません」
「私は今まで通り、影でグレン様を支えられれば……それで満足です」
国王「どうやら、決まりのようだな」
潔く身を引いたユウを見て、親族達が感心したようにうなずく。
そして、温かな拍手が一斉にグレンを包み込んだ。
 
 
 
グレン王子「どうして、俺を助けた?」
「あのまま黙っていれば、お前が王位継承者になれたのに」
会議を終えたグレンは、ユウを廊下に呼び出していた。
グレンの眼差しを受け、ユウは薄く微笑んだ。
ユウ「グレン様を見ていて……私は自分のことしか考えていなかったと、思い知らされました」
「グレン様は、国民の為に王位継承者でいることを選んだ」
「もし私だったら、きっとその選択はできなかった」
「オリエンス王国に必要なのは、やはりグレン様ですよ」
グレン王子「ユウ……。お前」
迷いから解き放たれたユウは、にこっと優しい笑みを浮かべた。
しかし次の瞬間、ユウは厳しい眼差しでグレンの顔を覗き込んだ。
ユウ「それより、グレン様。りえ様を追いかけなくて良いのですか?」
グレン王子「城を出て行くと決めたのは……アイツだ」
「アイツをこの城にしばりつけない方がいい。それが一番いいんだ」
ユウ「グレン様がりえ様のことを想って……王位継承権を選んだように」
「りえ様もグレン様のことを想って、この城を出ていった」
グレン王子「!?」
ユウ「そんなふたりが離れ離れだなんて……悲しすぎるじゃありませんか」
「後悔だけはしないで下さい。……それから、彼女のことをよろしくお願い致します」
ユウは深々と頭を下げると、グレンに背を向けた。
グレン王子「……後悔、か」
残されたグレンは、溜息をつきながら執務室のドアノブに手をかける。
グレン王子「これ……」
それは、りえが城を出る際に残していった“ひまわりのお守り”だった。
グレン王子「まだ、間に合うか……?」
グレンはお守りを握りしめると、廊下を駆け出していった。
りえの後を追って……。
 
 
 
りえ「ふぅ……。これからどうしようかな?」
「グレンくんには、ピエールさんの事務所に戻るって言ったけど」
「専属デザイナーの仕事がダメになったから戻りたいなんて……都合良すぎるよね」
空港にたどり着いた私は、行き先を決めあぐねていた。
そして、これからのことを考えながら、何気なく携帯を取り出した。
それと同時に、携帯が着信を告げた。
りえ「うん?」
(お母さんからだ……)
私は受話ボタンに指を走らせ、携帯を耳に当てた。
次の瞬間、懐かしい声が電話越しに響いてきた。
母親「もしもし? りえ」
りえ「お母さん……どうしたの?」
母親「どうしたの?……じゃないわよ!」
「たまには、連絡ぐらいしてきなさいよ」
「こないだだって、雑誌にあなたが……」
りえ「雑誌?」
 
 
 
 
 
国王「……グレンよ。覚悟は決まったか?」
グレン王子「はい」
りえが城を去った頃、グレンは王族関係者の視線を一身に受けていた。
国王「王位継承権をとるか、一般人女性との恋愛をとるか」
「返答次第では、追放という厳しい処分も考えている」
「お前の決断をここで述べなさい」
グレン王子「分かりました」
グレンは迷いのない瞳で、壇上へと向かった。
そんな彼を見て、親族達がにわかにざわつき始めた。
親族A「国外追放?」
親族B「何もそこまでしなくても」
カネダ「当然でしょう。それほどのことをしたのですから」
カネダが腕を組み、不敵に微笑んでいる。
そんな中、グレンは凜とした表情で壇上に立った。
そして堂々と親族達を見すえ、口を開いた。
グレン王子「私が選んだ道は、王子として歩んでいく道です」
「この国をより良い国にする為、これまで以上に尽力し……責任を果たしたいと考えています」
国王「グレン……」
親族A「ふむ。素晴らしい!」
親族B「やはり、グレン王子で問題ないのでは?」
グレンの熱のこもった話を聞き、親族達が一斉に拍手を送った。
しかしひとつだけ、不満そうにグレンを見つめる瞳があった。
カネダ「口だけでは、なんとでも言えますよ」
「ひとりの女に引っかき回されて、世論を乱すような王子に……国王は務まりません」
グレン王子「おじ上……」
カネダ「そもそも、今回のことだって……ユウが王子だったら国民の反応は違ったでしょう」
「ユウは庶民育ちですし、国民と近い立場の国王として、むしろ好意的に受け取って貰えたかもしれません」
カネダはこぶしを握りしめて、熱弁をふるった。
カネダの話を聞き、数人の親族が納得するようにうなずいた。
グレン王子「では、どうすれば納得して頂けますか?」
「俺はもう……逃げも隠れもしませんよ」
苦手だったカネダを、射抜くように見つめるグレン。
その鋭い眼差しを受け、カネダは息をのんだ。
カネダ「こ……こういうのはどうです?」
「国民にユウの存在を伝えて、どちらがふさわしいか問いかけてみませんか?」
「そう、それがいい!」
カネダは不気味に笑って、会議室を見渡した。
その時、会議室のドアが勢い良く開いた。
ユウ「いい加減にして下さい。カネダ様」
グレン王子「……ユウ」
会議室に突然、乗り込んできたユウ。
瞳に怒りを宿した彼を見て、全員が言葉を失った。
ユウ「……」
グレン王子「……」
大勢の人間を巻き込んだ、王位継承問題。
ついにその問題が決着する、最後の瞬間が、訪れようとしていた。
 
 
 
 
 
 
 
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題名 『ひめ…』
 
 
 
かえってきたくなったら、いつでもかえってこいよ?
おれ…まってるからな。
ぜったい、またいっしょにあそぼうな。
やくそくだぞ?
 
 
 
アラン