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今日は、1910年代のワークペインターパンツを紹介します。

 

THE BIG MOOR(ザ・ビッグ・ムーア) ワークペインターパンツ (1910年代)

1850年~1940年のアメリカのいくつかのオーバーオールブランドとそれらを作っていた会社は現在300社ほど発見されていますが、まだ数百社以上は解明されておらず、商品の仕様(ディテール)に限っては数千種類も存在するといわれています。

ここで紹介するブランドのワークパンツも最近発見されたものでアメリカに、かつて存在したワークブランドのワークペインターパンツです。

このブランドの詳しい情報などは不明だが、腰部のバックルバックの取り付けがサスペンダーボタンと一体型になった珍しいディテールや六角形のバックポケットが特徴的なワークパンツである。

また、この時代のビンテージにしか出せない(現在の生活では難しい)重労働で穿き込んだことによる激しい色落ちをしています。

股から腰にかけての上向きのアタリヒゲや膝から裾にかけて鐙革(あぶみがわは馬に登るとき及び、乗っている時に足を乗せる金具で乗馬にはこの部分に金属製の物を使用したイギリス式と革製のウエスタン式に分けられます)のアタリがある色落ちから、頻繁に乗馬する職業である牧畜や遊牧の仕事をしていた方が着用していたと推測されます。

乗馬経験者の方は知っていると思いますが、馬を乗りこなすには体幹と筋力が必要とされ、ヘタな筋トレよりも疲労度は高いです。

遊牧者に関して言えば一日中乗馬しているので、重労働といっても良いでしょう。

デニム生地は約8オンスほどでゆったりしたペインタータイプのパンツで通常はアタリヒゲが付いた濃淡のある色落ちは難しいですが、「これぞビンテージの色落ち!」といった感じの完成された、御手本のような一着です。

 

フロントはボタンフライによる開閉で、この時代に一般に出回っていた鉄製のドーナッツボタンが使用されています。

股上は深くゆったりした、ワークシルエット(ルーズシルエット)のパンツです。

 

1プロングによる打ち込み式のドーナッツ型スモールボタン。

ブラックラッカーコーティングを施しているが、経年により鉄がむき出しになっています。

 

裏側リベットは中央に膨らみを持ったドーム型の鉄製の物を使用。

現代の衣料品では確実にB品扱いになるであろう、部分に打ち込まれています。

 

ボタン支柱部分は短めのストレート型で鉄製。

経年によりサビが発生しています。

 

フロントトップボタンはブランド刻印された鉄製ドーナッツボタンを使用。

ボタンは1プロングによる打ち込み式で取り付けられています。

 

ボタン裏のリベットは40年代までのワークウエアにみられるドーム型でブラックラッカーコーティングを施してあります。

 

支柱部分は短めのストレート型です。

 

フロントポケットはダブルステッチによるペインターパンツらしい縫製で、リベットの代わりに赤糸のカンヌキ留めや、巻き返しのステッチによる補強がなされています。

 

コインポケットにはセルビッジが付いていました。

 

左側のポケットには、5ポケットパンツ同様にコインポケットなどはありません。

 

スレーキ(袋地)は少し厚みのあるガサッとしたタイプで生地の縫い合わせはロック縫製されています。

 

右足のバックポケットサイドにはキャンドルポケットが装備されています。

オーバーオールのビブ部分をそのまま切り取ったような、シンプルなワークパンツです。

 

バックスタイルは両ポケットで、古い時代のペインターパンツに見られる6角形のポケットです。

縫製はダブルステッチとカンヌキ留めによる頑丈な作りとなっています。

 

腰部には、まだベルトループが装備されない20年代以前の物で、通常ウエストバンドより下部に装備されるバックルバックは、サスペンダーの打ち込みボタンと一緒に取り付けられた珍しいタイプです。

また、針刺しのバックルは手曲げによる大き目のタイプで鉄製なので錆びが発生しています。

 

アウト・インシーム共に、2本針による巻縫いで、裾はシングルステッチによる縫製です。

 

ありがとうございました。

また、宜しくお願いします。

 

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