今年のお誕生日で100歳を迎えた利用者様がいる。


最近は、さほど珍しくない100歳。

が、

この100歳は珍しいのではなかろうか。


まず

シルバーカーを使って、自分の足で歩く。 

食事も、歯磨きも、トイレも自立。 認知症無し。

そして何より、

リハパンではなく、現役の布パンツ!

夜は小さなパットを当てているけれど、入所以来失禁は1度もない。

これだけでも、充分な残存能力なのだが、

自己管理も素晴らしい!

午前中、血圧が高い事を気にして、毎日、自分で手首式の血圧計を使って測り、

きちんと記録している。

食後に薬を飲み、午後になると血圧が下がるため、

午後は施設看護師が測定し、下がった数値を見て

看護師と一緒に

「よかった」と安心されるのが日課。


また、そのお人柄も素晴らしく、

いつも周りに感謝し、「ありがとね〜」と自然に声を掛けてくれる。


「100歳なのにすごい!」と、つい言いたくなるが、私はあまり「100歳なのに」という言葉を使いたくない。

なぜなら、この方にとって、それらは特別なことではなく、今までずっとやってきた「自分の日常」なのだから。


あえて困ることがあるとすれば、


話が止まらない(笑)


でも、話し方が穏やかで、聞いていると不思議と引き込まれてしまい、

「そろそろ失礼しよう」と思っているのに、気がつくと、ついつい長居してしまう。

そんな会話の中で、

時々ナーバスになる時もある。

「もうお迎えが来てほしい」 

「どうしたら逝けるんだろう」

そんな言葉を口にされる。


長生きの方が、「いつまでも長生きしたい」とは限らない。

長生きすることだけを、人生の正解にしない。

無理に前向きになろうとしない。

100年生きてきた人には、100年生きてきた人にしか分からない思いがあるのだと思う。

私は、全てを含め、この方の人間性が好きだ。


100歳。
歩いて、食べて、歯を磨いて、トイレに行って。
自分で血圧を測って、薬を飲んで。
人に「ありがとう」と言いながら、時々「もう十分かな」とつぶやく。
そんな姿を見ていると、

「〈元気で長生き〉って、こういうことなのかもしれない」とつくづく思う。


100歳のこの方から、私は今日もいろんなことを教えてもらっている。