施設には必ずいる帰宅願望の強い利用者さん。

言葉の通り、皆さん家に帰る帰ると切に訴える。

荷物を持って、毎日エントランスに来ては

「帰って一杯やるんだよ」

「約束があるんだよ」

「横浜に車をもっていかなきゃならないんだよ」

等等、まぁいろいろな訴えをしてくる愛くるしい爺さんがいる。

訴えのたびに、匠なスタッフ達が

いろいろ言いくるめ、食席や居室に連れ戻す。

この爺さん、

ある日とうとう脱走に成功したガーン

(エントランスから業者の後を普通に歩いて一緒に出た本人をカメラで確認ガーン


独歩できるが、ふらつきあるしガーン

そんなに遠くには、いけないだろうと炎天下のなか近所を探す事1時間。

見つからず、いよいよ捜索願を出そうかと施設に戻る途中、

本人が経営していたガソリンスタンドの近くを通り、まさか…と立ち寄ると、

「よう!」と向こうからステテコ姿の本人が歩いてくるではないか。

〈よう、じゃね〜よ💢〉と思いつつ、本人がまるで自宅に来た知り合いを迎えるかのように、

自然と歩み寄ってくるので、安心感がドッと込み上げる。

今ここのガススタを継いでいる甥が出てきて、

甥:「叔父さんが汗びっしょりで戻ってきたから、着替えてもらって、

これから施設に連絡しようと思った」と汗

施設からガソリンスタンドまで700mほど。交通量もそこそこあるし、入り組んだ道もある。

本能で奇跡的に辿り着いたとはいえ、とにかく無事でなにより。

いつも思うが、この本能たるや、本当に侮れない汗


その後、甥と私の説得じゃ、テコでも動かず、

近所に住む最強の娘さんに来て頂き、

本人をすったもんだでタクシーに乗せ、

施設へ連行。


時間はかかったけど、

ご家族からクレームもなく

(むしろ感謝されて申し訳なかった)

とにかく無事戻られたという事で、

〈ギリギリインシデント〉。

その後の見守りが強化されたのは、言うまでもない。