『My Mother's Music』

　今週のご報告。

　3日日曜日は、赤坂MZESにて、先月発売されたばかりの、大橋美加(VO)さん15枚目のリーダーCD＜My Mother's Music＞発売記念ライブでした。14時／17時の入れ替え制。メンバーは、CDでもご一緒した池田聡(B)、松浦賢二(DRS)でした。（写真）

　美加さんといえば、お母様はマーサ三宅さん、お父様は故・大橋巨泉さん。お母様からはヴォーカルの才能を、お父様からは文才や話術の才能などを受け継がれれていることを感じます。（美加さんは、ジャズヴォーカリストとしてだけでなく、映画評論、ラジオDJなどの分野でも活躍されています）

　今回は、美加さんが＜母・マーサの愛唱歌＞をテーマにしたCDです。マーサさんはシャンソンのレコードがヒットしたこともあるそうで、そういった日本語の曲なども収録されています。マーサ三宅さんは、もう公に歌手を引退されていますが、美加さんがこのCDをかけたところ、CDに合わせて歌っていらっしゃったそうです。親孝行のCDになったのでしょうね。

　CDのライナーノーツには、一曲一曲に対する、マーサさんとの思い出なども綴っていらっしゃいます。偉大なヴォーカリストである母親と同じ職業を選ぶ、というのは大変なこともあった思いますが、その集大成的な意味もあるCDなのだと思いますし、参加させていただけて光栄です。そういえば、池田聡さんもお父様は日本を代表するベーシスト、池田芳夫さんですよね。

　美加さんによると、これを英語では＜born in A trunk＞というそうです。日本語には適切な訳がないそうですが、敢えていえば＜楽屋育ち＞っていうことなんだとか。

　わたしは池田芳夫さんとは共演したこともあります。また、マーサさんは共演したことはないですが、何かの大きなフェスティバルでたまたま大楽屋で一緒になったことがあります。その時、マーサさんがビッグバンドと共演していて、とても素晴らしかったので、面識はなかったのですが、楽屋で＜ビッグバンドとの共演、とっても良かったです！！＞とお声がけしたのです。まだ美加さんとも知り合う前の、ずっと昔のことです。そうしたらマーサさんは、＜ありがとう。わたしはね、本来はビッグバンド歌手なのよ。以前はビッグバンドで歌うのが普通のことでした。だからわたしにとっても、ビッグバンドとの相性が一番良いの。＞と答えてくださったのです。その時しか直接お話ししたことはないけれど、オーラのある方で、とても印象に残る思い出です。