『Seiko Summe Jazz Camp3日目--How to play outside』

　Seiko Jazz Camp3日目。

　今日も、全てに対して大きな学びがあったのですが、本日のご報告は、Benny BenackのTpクリニックから。たまたまわたしは彼の専属通訳になっていますが、最初に彼に会った時、彼はまだ24歳。講師の中でも一番若く、伸び盛りで、彼自身がこの8年間でとても成長していることがよくわかります。TPクリニックの内容も、毎年全く異なるのです。

　本日のお題は、たまたま生徒さんが、タイガー大越氏の＜チュニジアの夜＞をMy Favoriteだと言って持参したところから、＜Outsideフレーズをどうやって吹くか＞という、この8年間で、彼から初めて聞く話になりました。

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　Outside phraseを吹く時はorganization（構造）がとても大事です。同じフレーズを転調して繰り返すことによって、outsideなりの構築力が生まれます。そして、最終的にはinsideに戻ってくることによって、ジャズでとても大事な、tension & releaseの感覚が生じるのです。そして、Outsideというのは、決してハーモニックな意味だけのことを指すのではありません。リズミックにも小節線を超えるような、outside感覚が必要なのです。

　また、inside phrase　つまり、Blues ScaleやBebop Scaleができない人は、絶対にOutside phraseを吹いてはいけません。Insideが何かを十分知っているからこそ、Outsideが生きるのです。

　僕は個人的には、Blue Michel, Donald Bird, Clifford Brown, Lee Morganのように、insideでメロディアスに吹くプレイヤーが好みです。

　しかし、もちろんOutsideに吹くプレイヤーも好きで、そういうプレイヤーの中で一番マスターだと思うのはWoody Shawです。典型的な例として、彼のI Can't Get Started を聴いてください。特に最後のCadenzaはOutside phraseを、Major 7th Chordの平行移動によって構築させ、見事なtension & releaseを作り出しています。（この録音を探しましたが、YOUTUBEにはありません）

　アウトサイドで吹きたい人は、とにかく、inside phraseの研究もしてください。ぼくが、super insideだと思うのは、Chet Bakerです。彼は非常にダイアトニックで、あまりpassing notesも使っていません。まずはChet Bakerのように吹けるようにしてからOutsideについて勉強してください。そして、Outside phraseは必ず、Inside phrase に着地しなくてはなりません。＜チュニジアの夜＞は、そう言った感覚を身につけるのには、適した練習曲だと思います。

　その後、TPプレイヤーの5人の生徒さんとBennyのTradeで、全員でこの曲を演奏しましたが、いやー、皆さんまだ20歳そこそこなのに、めちゃくちゃ上手い。レベルの高さにびっくりしました。

　写真は、Quincy Davis（DRS)と。今日のビッグバンドで、担当ドラマーが、彼のお手本演奏を見る前と見た後で、別人のように良くなりましたが、やっぱり世界一レベルのお手本演奏を間近で見ることが一番なんですね。そこですぐに吸収できるっていうのも、若さの特権なんですよね。ちなみにQuincy は日本語が上手です！(photo by amigraphy)

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　26日は、守屋純子TRIO@池袋Independence！！こちらもよろしくお願いいたします。

　また、次回の守屋オーケストラ公演は9/7＠六本木Satin Dollです。季節柄、今年生誕125周年の、G.Gershwinの名曲・SummertimeをYoutubeにあげました。