カール・アレン・ジャズ・クリニックその2 | なぜ牛丼屋でジャズがかかっているの?

カール・アレン・ジャズ・クリニックその2

2.サックス・カルテット 曲は“As Time Goes By”(Ballad)

<バラードでは、リズムセクションがビートやパルスを合わせることが重要。今聴いていたら、ピアニストは一拍を一拍として、ベーシストは、一拍をふたつの八分にわけて、ドラマーは、3連で感じている。感じ方がバラバラでは合わないよね。>

<(サックスプレイヤーに)、君はこの演奏を通して、何を伝えたいと思っている?(うまく答えられないでいると)バラードというのはね、ただの Slow Songじゃないんだ。Story(物語)を語らなくてはならないし、リスナーにどんなメッセージを伝えたいかを、はっきりさせなければいけない。テンポ、キー、ダイナミクスに全員がもっと気を遣ってください。>

<(ベーシストに)バラードを歌いながら、ベースラインを弾いてみよう。ベーシストは、弾きながらメロディーを歌うことによって、メロディーと良いベースラインの関係が自然に身に付くようになる。自分が演奏する曲は、必ず、ベースで弾き語りしてみる、これを日々の練習に付け加えてください。>

<もっとお互いのアイコンタクトをとろう。そして演奏を楽しんでいる姿をリスナーに見せるべきです。つまらなそうに、自分の世界のみに入っている演奏者を見て、リスナーが楽しめると思うかい?>

 3.サックスとトランペットによるカルテット 曲は“Water Melon Man”

この曲は、かなりバンドがよく出来ていたこともあり、まとめの話が中心になる。

<Music is still entertainmentなんだよね。リスナーは、マイルスやマイケル・ブレッカーのすごいかっこいいフレーズを吹いたところで気づかないかもしれない。結局、Feel GoodかFeel not goodかそのふたつの判断しかない。だからとにかく、リスナーが心地良く感じるように演奏するしかないんだ。>

自信をもって演奏するということが大切。間違えたらそのフレーズを繰り返して、“わざとやっているんだ”と思わせるくらいが良いんだ。マイルスのフレーズなんて、理論的には間違っていることも一杯あったと思う。でも、マイルスがあまりに確信を持って吹くので、それが新しさに繋がり、人々は聴いたこともないその音に感動したんだと思うよ。>

 <Safe playing Is boring(安全な演奏なんてつまらない)。常にexperience
(実験)を重ね、新しいものを発見、開発していく気持ちでいよう。ジャズにはけっしてperfection(完璧)はないんだ。だったら、Safety(安全)を求めずに、間違えてもいいから、どんどん新しい方法を探していこうよ。そうしない限り、新しい音楽は産まれないしね。>

<全ての素晴らしいバンドは彼ら固有のidentityとpersonalityを持ち合わせている。とにかくなるべく多くの録音やライブを聴こう。そして、セッションのチャンスを持とう。
 スイングするとは、リラックスすること。相手と戦うことではなく、お互いを信頼し、理解しあうことなのです。それを実感してほしい。>

 最後に、小曽根氏と、カール・アレンが、ピアノトリオで"No Greater Love"を演奏してくれたが、これがまたまた凄い演奏でした。もっと何曲も聴きたかった感じでした。(無料で聴講しているくせに図々しいが)

 そして、こんな有意義なクリニックを無料で一般公開にしてしまう、国立音大さんの太っ腹ぶりにも大感謝!!でした。
 また、国立音大の生徒さんたちのレベルの高さにも驚きました。彼らにとってとても有意義な一日だったと思います。若いうちにカール・アレンに直接教われるとは羨ましい!!

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6/7(火)Blue Note Tokyo 
Open5:30p.m. Start7:00p.m.

<守屋 純子セクステット>
岡崎 好朗(トランペット)、近藤 和彦(サックス)、片岡 雄三(トロンボーン)、納 浩一(ベース)、小山 太郎(ドラムス)
<ゲスト>
阿川 泰子、平賀 マリカ、メグ(ヴォーカル)、寺久保 エレナ(サックス)

予約受付中!詳細は以下まで。http://www.bluenote.co.jp/jp/artist/junko-moriya/

6/22(水) 高田馬場 "Hot House" 21:00-- tel 03-3367-1233
<Junko Moriya Duo> 
日本一小さいライブハウスにて、CHAKA(V)さんとのデュオ、CHAKAさんはホットハウス初出演。素晴らしいヴォーカリストです!