「北原白秋」といえば
色彩のテキストでよく登場するのが
陰陽五行説
「北原白秋という名も、陰陽五行説からきたものです」
などといった記述でお馴染みです
テキストでは、北原白秋の短歌などを
ご紹介されているページがないので、ここでいくつかご紹介していきます
作: 北原白秋
かくまでも黒くかなしき色やあるわが思ふひとの春のまなざし
ゆく水に赤き日のさし水ぐるま春の川瀬にやまずめぐるも
白き犬水に飛び入るうつくしさ鳥鳴く鳥鳴く春の川瀬に
ロンドンの悲しき言葉耳にあり花赤ければ命短し
薄あかり紅きダリヤを襟にさし絹帽の老いかがみゆく
ほんの少しご紹介しましたが
お気づきいただけましたでしょうか?
北原白秋、実は色彩を巧みに操った詩が
とっても多いことに気が付きます
私の学生の頃の微かな記憶の中に
唯一残っていたのが「城ケ島の雨」
城ケ島の雨
雨はふるふる 城ヶ島の磯に 利休鼠の雨がふる
雨は眞珠か 夜明の霧か それともわたしの忍び泣き
舟はゆくゆく 通り矢のはなを 濡れて帆あげたぬしの舟
ええ 舟は櫓でやる 櫓は唄でやる 唄は船頭さんの心意気
雨はふるふる 日はうす曇る 舟はゆくゆく 帆がかすむ
ここでも、利休鼠という色名が使われています